消えていく星の流線を

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デフォで重め

アイドリッシュセブン メインストーリー第2部まとめ

 

女性向けアイドル育成リズムゲームアイドリッシュセブン』のメインストーリー第2部をまとめています。
ネタバレしかありません。ぜひアプリゲームをプレイしてからこちらをご覧になることをオススメします。

 

プレイ画像など一切ありません。ひたすら文章でまとめています。
自分の言葉でかなり要約しております。

引用部分で考察やポイントなど書いています。

 

☆記事内での呼称☆
【アイドルグループ】
IDOLiSH7アイドリッシュセブン)→i7
・TRIGGER(トリガー)→TRIGGER
・Re:vale(リバーレ)→Re:vale

 

IDOLiSH7メンバー】
・和泉一織(いずみいおり)→一織
・二階堂大和(にかいどうやまと)→大和
・和泉三月(いずみみつき)→三月
四葉環(よつばたまき)→環
・逢坂壮五(おうさかそうご)→壮五
・六弥ナギ(ろくやなぎ)→ナギ
・七瀬陸(ななせりく)→陸

 

【TRIGGERメンバー】
・八乙女楽(やおとめがく)→楽
・九条天(くじょうてん)→天
・十龍之介(つなしりゅうのすけ)→十

 

【Re:valeメンバー】
・百(もも)→百
・千(ゆき)→千

 

【小鳥遊事務所】
・小鳥遊紡(たかなしつむぎ)→紡
・小鳥遊音晴(たかなしおとはる)→音晴
・大神万理(おおがみばんり)→万理

 

【八乙女事務所】
・八乙女宗助(やおとめそうすけ)→八乙女、八乙女社長
・姉鷺カオル(あねさぎかおる)→姉鷺

 

【岡崎事務所】
・岡崎凛人(おかざきりんと)→岡崎

 

【その他】
・九条鷹匡(くじょうたかまさ)→九条
・九条理(くじょうあや)→理

 

 

 

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1章 IDOLiSH7冠番組、決定。

1.i7はセンターを一織にチェンジして新曲『Perfection Gimmick』を出す。それにはある理由があった。

三月、「実家のケーキ屋にゼロが来て、ケーキのお礼に歌ってくれた」と、ゼロとの出会いをメンバーに話す。

一織「今のアイドルブームの原点と呼ばれている人物ですからね。ゼロが活躍していたのはたったの3年間ですが、全世界に与えた経済効果は1000億円以上と言われています」

ナギ「ハルキはゼロを捜してノースメイアに来た。その時、ゼロのために作った曲をワタシに託してくれました。ゼロの歌はMAGIC。まるで幸せの魔法使いのようだと言っていました」

ゼロアリーナが工事を経てリニューアルする。アイドル界のトップがそのこけら落とし公演を務めるだろうと言われている。

i7にレギュラー冠番組が決定したという知らせが飛び込む。

 

2.三月のトーク力はテレビ関係者から一目置かれている。音晴に「君は普通に喋っているだけかもしれないが、それがテレビ界では貴重な才能なんだ。君のおかげで冠番組が決まったんだ」と言われた三月は、トイレに籠って嬉し泣きする。

三月「オレをアイドルにしてくれたお前らにやっと恩返しができる」

番組名は『キミと愛なNight!』、毎週素人と何かにチャレンジする内容。

番宣でRe:valeの番組にも出演する予定。

万理「オレもRe:valeのファンだよ。CDも全部持ってる」

大和は「Re:valeか…」と呟き、浮かない顔をしている。

 

3.環の人気が群を抜いて上がっている。環は視聴者の意見に近い飾らないリアクションを取り、親しみを感じやすいため。進行に徹する三月とは対照的なタイプ。

一織「この2人がいる、さらに圧倒的な歌唱力と、人に愛される魅力を持つ天才、七瀬さんがいるi7は必ずトップに立てる。ただし、ステージ以外では世間知らずで甘ったれのブラコン。私たちの時代がすぐそこにやって来ています」

 

『キミと愛なNight!』企画会議。三月の家はケーキ屋で、三月自身も調理師免許を持っている。番組テーマ曲にはi7の新曲を起用する。

突然、陸がひどく咳き込んでしまう。

 

 

4.Re:valeの番組にゲスト出演。
Re:valeの千の主演映画には千葉志津雄が出ていた。
i7はRe:valeの楽屋に挨拶に行く。

 

2章 Re:valeと、初共演。

1.Re:valeの楽屋。百にブラホワのパフォーマンスを褒められるi7。Re:valeは夫婦漫才のようなやり取りを見せる。百は桃とりんごのスパークリングジュースしか飲まない。
収録で完璧なパフォーマンスをするRe:vale。反対にi7は、陸の体調が優れず撮り直しを重ねる。そんなi7をRe:valeがフォローしてくれる。
収録の合間に千は環に話しかけ、「君はテレビでいつも無愛想にしているけど、つまらないなら君が面白くするんだ。テレビの前の妹を楽しませてごらん」と言う。

 

2.トーク収録ではRe:valeがi7の面白いトークをどんどん引き出してくれる。

Re:valeの2人によると、ゼロアリーナのこけら落としは3日間あり、初日はTRIGGER、最終日はRe:valeの公演が決まっている。中日の公演にi7が入れるよう、Re:valeからゼロアリーナの支配人に推してくれるという。

廊下で、大和が「話がある」と千に引き留められるが、逃げる。

千は大和を昔から知っているようだ。千「大きくなったな。初めて会った時は学生服だったのに。人間不信の塊で、芸能人はゴキブリ以下って目をしてた」

22歳の大和が高校生(18歳)以下の時なので、千と大和は最低でも4年以上前に初めて会った。

 

3.ナギが大和の素顔を見ようと、眼鏡を外すよう頼むが、大和は拒否する。

ゼロアリーナ支配人らスタッフが、こけら落とし出演者のライブを見に来ることになる。

紡は勉強のためゼロのコンサートDVDを見ている。ゼロの舞台演出は「Haw9(ホーク)」という人物がしていた。

音晴「ゼロが消えてから、Haw9の名前を聞くこともなくなってしまった」

万理が勤続5年目を迎える。紡は中学生の時に万理にチョコを渡したことがある。

こけら落としに向け、ゼロアリーナに行く紡。ナギもついて行く。そこで紡とナギはある男に会う。

ナギの母親は千葉志津雄のファンであり(1部9章3話)、大和の芝居を見てナギは何かに気づいた(1部10章4話)。

 

4.男(九条鷹匡)と紡・ナギの会話。

男(九条鷹匡)「ゼロが消えてから15年」

ナギ「アナタはアイドルが好きですか?」

男「ええ。アイドルも、アイドルに夢見るファンも。その夢をラッピングする職人たちも。僕も昔アイドルを育ててコンサートの舞台演出も手掛けていた。とても楽しい日々だった。僕だけが知っているアイドルの魅力を、世界中に知らせたくて、頑張れ頑張れって、僕だけのスターが星空に届くように、虹を越えていくように応援していた。舞台演出のコツは、アイドルたちの魅力を知ることだよ。誰よりもアイドルに夢中になりながら、誰よりもシビアにアイドルを解剖する」

 

ゼロアリーナ支配人がi7のライブを見に来る。i7のライブを褒める支配人。

アンコールが掛かる中、咳き込む陸。声が枯れるのを恐れて発作止めの吸入器を使いたがらない。一織らメンバーが無理矢理押さえて吸入させるが、発作は収まらず、陸はアンコールに出られなかった。

 

九条宅。そこには天がいた。

九条「お土産にケーキを買ってきたよ。あの子と一緒に食べなさい」

九条はi7のこのライブを見ていた。「センターの子がアンコールに出られなかった。理由はわかるかい、天」

天「ええ。わかりますよ。ボクらは双子ですから」

 

3章 こけら落とし出演と、陸がいない、0番。

1.ライブ後、メンバーに介抱される陸。
後日、ゼロアリーナ支配人が事務所に来て、こけら落とし中日はi7の公演で決定だと伝える。支配人は「アンコールに出られなかったセンターの子は大丈夫か」と訊くが、一織は陸の体が弱いことを隠す。そんな一織を大和は「あまり陸にプレッシャーをかけるな」と諫める。

 

2.環は病弱だった母親と陸を重ね、陸のために掃除したりご飯を運んだりする。

陸「天にぃはオレに歌ったり本を読んだり、何でもしてくれた。発作が起きた時は天にぃのお腹を枕にして寝てた」と環に話す。

心配した紡が陸の部屋に来る。

陸「もうあんな失敗はしない…ちゃんと体調管理するから。オレ。もっともっと頑張るから。人より弱いぶん、人の倍頑張るから」

そんな陸を見た紡のモノローグ「陸さんを見ていると、心の底から“頑張ってください”と応援したくなる気持ちと、“もう頑張らなくていいですよ”と泣いてお願いしたくなるような気持ちが行ったり来たりする。私はマネージャーとして、どっちの気持ちでいることが正しいんだろう」

 

3.紡は、必ず陸センターに戻すという条件のもと、陸とセンターを代わるよう、一織に提案する。

紡「お医者さんから聞きましたが、今の乾燥した寒い空気、これからの花粉の季節、陸さんの発作はますますひどくなります。陸さんの体調が戻るまで、センターを変えましょう」

一織「ここで間違えば永遠にi7のセンターは七瀬さんでなくなる。代えるとしたら個性の強くない私が最適かもしれない。ですが七瀬さんは必ず歌ってくれます。七瀬さん自身が歌うことを望んでるんです。あの人の声とキャラクターなら、i7はRe:valeにも、ゼロにも手が届くと私は思っています」

 

陸と一織の会話。

陸「ちゃんと、みんなを引っ張っていくスーパースターになる」

一織「期待していますよ」

 

音楽番組でブラホワ以来にTRIGGERと共演するi7。廊下で2グループが会い、天はライブのアンコールに出られなかった陸を叱責する。

歌のリハーサル中、陸は天に責められたことを思い出し、発作を起こしかけ、リハーサルから外れる。空いた陸の立ち位置をどうするか現場が混乱していると、天が陸の代わりにi7のリハに入ると言い出す。

 

4章 センター、交代。

1.陸の立ち位置と振り付けを完璧にこなす天。

天は「体調不良を理由にいい加減なことをしないで」と陸にきつく言う。

一織「他のグループでもおなじことをしましたか?弟がいるi7だからしたんでしょう。あなたがそうやって過干渉だから、あの人が1人で何もできない甘やかされた人間に育つんです」

十が「他の事務所のことに口を出しすぎだ」と天を止め、一織を大和が制止する。それを見た陸はさらに落ち込んでしまう。

「今のままでは七瀬さんが自信を失うばかりだ」と、一織は新曲のセンターを受け入れる。

一織「今まで曲によって何度かセンターを変えたことがあったでしょう。それと同じです。センター交代はただの仕事分担。私たちは7人いるんですから、弱点はカバーし合っていけばいい」

陸「ありがとう…正直ほっとした。毎朝、仕事に行くのが不安だったから。何かお礼しなきゃな。一織の好きなものなんでも買ってあげる」

一織「はは…期待しています」

 

2.三月はバラエティー番組を見まくって勉強している。「誰かに認めてもらえて、頑張れば褒めてもらえるのが嬉しい」

環は一織に「(比べられるだろうから)大変だな」と言う。環いわく「MEZZO"は違いすぎるから、比べられることはあまりない」

 

テレビ局廊下。お互いのダンスが合っていないと言い合いになるMEZZO"。

たまたま通りかかったFSCの役員が「『キミと愛なNight!』の裏で、FSCをスポンサーに付けたTRIGGERの番組が始まる」と話し、壮五は表情を曇らせる。

 

千主演の国民的刑事ドラマ『Mission』が映画化され、大和にその重要な新キャラクター役のオファーが来る。大和は「銀幕に行くつもりはない」と断りたいと思っている。

ナギ「恐らくですが、ヤマトのシークレット知ってます。ワタシたちはメンバーで、ベストフレンズ。隠さず話してほしい」

 

センターが交代してから初めての歌番組の生放送の日が来た。

 

3『Perfection Gimmick』初披露。一織センターは安定感がありやりやすいと感じるメンバー。ファンにも一織のセンターは好評。

『キミと愛なNight!』の三月のトークは、スタッフにも一般人にも好評。ファンクラブ会員も増えている。

この波に乗ってMEZZO"も新曲を出し、それを主題歌としたMEZZO” W主演のドラマのオファーも来ている。しかし環が再会もの番組でスタッフを殴った件を監督が知り、ドラマの話はなくなりかけている。万理が鶏そぼろを手作りして差し入れるなど、MEZZO"が出演できるよう交渉することになる。

音晴「2人の声はとても相性が良い。お互いの魅力を引き出して引き立てる。MEZZO“はそんな関係になれるはず。新曲『恋のかけら』はMEZZO"が生まれ変わり、2人が一回り成長するきっかけになる」

 

4.環は壮五に、「そーちゃんの1人で全部背負いこむところが苦手」だと言う。

i7の楽屋にRe:valeが来る。Re:valeは、FSCがスポンサーで予算が潤沢なTRIGGERの新番組にゲストで呼ばれている。

千は大和を呼び出し、話をする。

千「映画のオファーを受けろ。新人の頃お世話になった大先輩に恩返しがしたいんだ」

大和「あの人と俺はもう関係ない。なんであんたみたいなのが売れたんだ!?5年前までうちで洗車してたくせに」

千「いつまでも隠してはおけない。いくら眼鏡をかけていても、君はあの人の若い頃そっくりだ。なんで芸能界に入った?」

大和「最初は復讐のつもりだった。だけど今は違う。あいつらの夢を叶えてやりたい。俺のゴシップはその邪魔だ」

千「ゴシップくらい僕たちが守ってやる。あの人寂しがってたよ。コンサートにも花が来てただろう。なんで復讐やめたの。思ったより楽しかったからじゃないの。この世界」

 

百が紡を呼び止める。

百「i7の人気が急上昇した今、気を付けてほしいことがあるんだ。人気が上がって、メンバーに向けられる感情がちょっとずつ変化していく」

紡「i7を嫌いな人も出てくるっていうことですよね?」

百「違う。アイドルを苦しめるのはいつだって、好きの感情なんだよ。ファンが増えれば増えるほど好きの種類が無限に増えていく。かっこいい陸が好きな人、かわいい陸が好きな人、バラエティーの陸を望む人、ライブの陸が見たい人。みんな陸を思ってる。でも陸は1人しかいないから全部の期待には応えられない。それが彼らを苦しめる。アイドルは人を幸せにして、愛されるのが好きな奴らだから。ファンにがっかりされると、何が悪かったのか思い詰めちゃう奴がいれば、自暴自棄になってピリピリする奴も出てくる。期待があるから不満が生まれて、好きがあるから嫌いが生まれる。誰も悪くないし、正しい解決法もない」

「TRIGGERも一気に売れてしんどそうだった。だけど天はしっかりしてたな。天は完全に個を消してファンに奉仕するんだよ。天には年季を感じる。完璧な奉仕精神を子供の頃から鍛えていたみたい」

 

i7の寮に天が訪ねてくる。

天のアイドル性の中心にあるものは、ファンへの完璧な「奉仕」。それは子供の頃、陸のために歌って踊っていたことで身に付いたもの。

 

5章 天は、陸を、認めない。

1.天はお土産の王様プリン10個を環に渡し、陸の部屋を教えてもらう。環が天のことを「てんてん」と呼ぶのを子猫と勘違いし、「白い子猫とか、かわ…」と言いかける一織。

天が陸の部屋を訪ねると、陸はTRIGGERのライブDVDを見ているところだった。天は「具合は?しっかり休んで冷やさないように」と陸の体調をかなり気にかけている。

天「もし陸が好きな子となかなか会えなかったら寂しい?会う約束をしたのに来られなくなってしまったら?ボクの恋人はファンだよ。ファンを悲しませることはしない。ファンと交わした約束は決して破らない。アイドルなら当然のことだ。(約束とは)コンサートチケットだ。その日必ずそこに行って、笑顔で全力を尽くす約束。キミは約束を守れない。これまでも、これからも」

 

寮にRe:valeが来る。千は着拒された大和に会いに、百はナギに会いに来た。Re:valeはシチューと天のお土産の王様プリンを食べる。

天のお土産が王様プリンだったのって、「理をキミのもとに帰せなくてごめん」っていう、環への罪悪感からだったんですかね

 

2.天「アイドルとして最低なことはファンを失望させることだ。九条天のファンでいたせいで傷つくことがあったなんて、ボクは絶対に許せない。ボクのファンでいること、いたことを後悔させたくない。陸をライバルだと認めたけど、この前のライブとリハで確信した。陸はこの仕事に向いてない。陸も陸のファンも不幸になるだけだ。ボクたちの仕事は代わりがいない。キミが一流を目指せば目指すほど、キミは周りに迷惑をかける」

陸「オレは…みんなと歌いたくて…」

天「仲間と歌いたいだけならカラオケにでも行ってなよ。ボクが家を出た理由、教えてあげる。父さんの店がお客さんを楽しませる責任を忘れたからだ。経営不振の空気に影響されて、ダンサーたちが不安げに形だけ歌い踊る。そんなショーに誰がお金を払う?ボクも最初は九条さんに反発したけど、プロの世界を見て目が覚めた。隕石が落ちて世界が絶望している時にも、笑って歌うのがボクらの仕事。それを九条さんが教えてくれた。両親より九条さんが正しいと思ったからついて行った」

 

大和と十が一緒に飲んでおり、十を寮に連れ帰ってくる。べろべろで沖縄弁を喋る十。三月も一緒に飲み始める。

「てんてん」を探す一織と環のアンジャッシュコント的なやり取り

百はナギの隠れファンである姉鷺へのプレゼントとして、ナギのブロマイドに本人のキスマークを入れてもらう。

4章1話で、大和と十は飲みに行く約束をしていた。

この寮に大集合する話、わちゃわちゃしててみんな可愛くて好きなお話です。

  

3.陸「天にぃは結局、家族を見捨てたんじゃないか。天にぃがいなくなって、母さんも父さんも、オレもずっと泣いてた。オレの世話を押し付けられてたのが嫌だったんじゃないかって…天にぃはずるいよ!自分は家族を捨ててアイドルになったくせに、オレには辞めろなんて…オレはずっと、大人になったら、天にぃが一緒に歌おうって言ってくれると思ってた…でも天にぃにオレは必要とされてなかったんだ」

天「違うよ。陸を忘れたことなんて一度も…ボクらは生まれた時からずっと一緒だったじゃないか」

そば処山村の出前で楽(にそっくりな店員)が来て、紡をデートに誘うが断られる。

 

4.天はリビングに移動。陸がリビングに追って来て「天にぃが何を言ってもオレはi7を辞めたりしないからな!みんなはオレを必要としてくれてる。ひどいこと言うのは天にぃだけだ。天にぃなんか嫌いだ」と言うが、天も依然として「陸をアイドルとして認めない」と言う。

 

6章 特別ユニット、青い髪の少女。

1.TRIGGER楽屋。あれだけ言われても陸に嫌われてないと言い張る天。二日酔いの十に大声を出す楽・天。

 

「絶対に天にぃ…九条天に認めさせてやる」と息巻く陸。

三月「ムリすんなよ。TRIGGERはTRIGGER、オレたちはオレたち。パーフェクトな奴らが7人じゃなく、7人でパーフェクトでもいいじゃん。困ってる時はみんなで助け合ってさ」

さすが名MC、と大和に茶々を入れられ、「そんなんじゃねえけど、みんなの役に立てて嬉しい」と言う三月。

 

Re:valeから、こけら落としのRe:vale5周年コンサートにi7にシークレットゲストで出てほしいと頼まれる。TRIGGERと特別ユニットを組む企画。

 

2.TRIGGER楽屋。天は、「九条にいい加減会わせろよ。お前はプライベートを隠しすぎだ」と楽に言われる。

 

八乙女社長はこけら落としの注目度の高さからi7との共演を受けた。

八乙女「九条さんはスター育成のスペシャリスト。今も1人育てているらしい」

姉鷺「天もデビューまで海外で育てられ、世間から隠されていましたものね」

八乙女「九条さんがこけら落としに注目しているのには、ある理由がある。Re:valeがゼロの曲をカバーする予定らしい。ゼロが消えて15年。アイドル業界で不可侵だったゼロだ。ゼロアリーナのリニューアルを期に、新しい時代がやって来たようだ」

姉鷺「ゼロの存在は大きすぎて、そして未だに熱狂的なファンが多すぎて誰もカバーしていません。Re:valeもただでは済まないかも」

 

実は八乙女プロダクションにRe:valeがが来て、ナギのキスマーク入りブロマイドと非売品グッズと引き替えに、姉鷺に八乙女社長を説得させ、TRIGGERのこけら落とし出演を取り付けたのだった。

5章2話で手に入れたブロマイド。姉鷺さんちょろい。

 

3.各グループリーダー(Re:vale・大和・楽)とマネージャーが集まった会議。
Re:valeが考えたユニットは、一織・陸・天/大和・三月・ナギ・楽/環・壮五・十。
Re:valeがゼロの曲をカバーする企画がある。


MEZZO"の仕事終わり、環は壮五を置いて帰ってしまう。壮五が1人テレビ局から出ると、青い髪をした少女に話しかけられる。

 

4.少女「四葉環さんは元気にしてますか?」

壮五「ああ、うん」

少女は「良かった」と安心した様子。

壮五は少女の雰囲気が環に似ていると思い、「君は四葉理ちゃん?」と訊くが、少女は否定する。さらに「私に会ったことは誰にも言わないで」と壮五に言う。帰り際、少女はクローバーのキーホルダーを落として行ってしまい、壮五が拾う。

 

ショッピングモールに買い物に来ている三月。偶然、ファンが「『キミと愛なNight!』の三月邪魔だよね。人気もないのに1人で喋るし」と会話しているのを聞いてしまう。恥ずかしさから、帽子を深くかぶって泣きながら走って帰る三月。

 

陸がネットで『Perfection Gimmick』の評判を検索すると、「センターは一織のままでいい」「一織センターになって完成度が上がった」などと見つけ、ダメージを受ける。陸「代わりがいないのも、代わりがいるのも苦しい」

 

Re:vale楽屋。千が電話で誰かに「5周年コンサートまでにあいつを探してくれ」と話している。それを聞いてしまった百。百「ああ、そうか、約束の期限だもんな」

私はここの三月くんの繊細さが大好きです。全宇宙が泣いた。

ここからi7は4章4話の百の言葉通りに苦しんでいく。

 

7章 潰れゆく、IDOLiSH7

1.街に貼ってあるこけら落としのポスターに「Get Back My Song(僕の歌を取り返せ)」と落書きされているのをファンが見つける。

ネットでパフェギミの評判を見てから、陸は一織を避けるようになる。

一織は「何ですかあの態度。誰が一番あなたに歌ってほしかったと思ってるんですか」と怒り気味。一織と陸のファン同士も言い合いを繰り返すようになる。

泣き腫らした三月を気に掛けるナギ。三月は「放っといてくれよ」と突き放してしまう。

『キミと愛なNight!』の会議(MEZZO"不在)でも微妙な空気の一織・陸と、どこか上の空の三月。

 

壮五は大和に相談する。

壮五「家でいつも否定されていた叔父を思い出して少しつらい。元気のない陸くんや三月さんにも何かしてあげたい」

しかし抱え込みすぎる壮五に大和は「まず相方と親睦を深めなさい」と言う。

壮五は「環くんとはタイプが真逆だから、もう仕方がない」と思っている。大和に理らしき少女に会ったことを話そうか迷う壮五だが、大和にこれ以上負担をかけられないと思い、話すのをやめる。

大和「ミツは俺たちのファンに認められたいんだよ。だけどMCの技術は伝わりにくい。MCはライトを当てる奴を瞬時に判断して平等に話を振る、スポットライトみたいな仕事だ。すごい仕事だよ。だけど目立つのはスポットライトじゃなく、ライトを浴びてる人間だ。ファンからはどうしても不満を言われちまう」

壮五「その話を本人にしてあげればいいのに」

大和「ミツは俺らが思っている以上にプライドが高い。タマも高いタイプ」

 

2.i7がギスギスする中、せめてMEZZO"だけは円滑でいられるよう、大和は「壮五が環のダンスに憧れてる」と環に吹き込む。すると環は壮五に懐くようになり、オフの日に一緒に遊ぼうと壮五を誘う。環は挨拶もちゃんとするようになりスタッフにも褒められる。

環が褒められると嬉しそうな壮五。

環「ゆきりんが言ってたやつ」

千が2章1話で「番組がつまらないなら君が面白くするんだ。テレビの前の妹を楽しませてごらん」と言っていたこと。

 

3.『キミと愛なNight!』収録。自分ばかり喋っているのではないかと気にして、いつものキレがない三月。

それに気づいたナギが三月と話そうとするが、逃げる三月。ナギは三月を捕まえると、三月は泣き出してしまう。「何をどう頑張っていいのかわかんなくて…情けないこと言ってもいいかな…世界中の人全員に好かれたいなんて、贅沢なこと思ってるわけじゃない。i7を好きって言ってくれる人にだけは嫌われたくない。だって、俺もファンの子も同じはずだろ。みんなi7が好きで…だからちゃんと上手くやりたいんだ。オレ、ここにいて…i7にいてもいいのかな…街中にある、たくさんの人の好きって気持ちに、どうやって応えたらいいんだろう」

まさに今、4章4話で百が言っていた通り、「好き」の気持ち全てに応えられず苦しんでいる三月。

 

4.ファン同士も、お互いの推しメンバーを否定し合ってゴタゴタしている。

寮。一織を元気づけようとホットケーキを焼いてあげる三月。「一織はえらいよ!自慢の弟だよ」

三月は、一織のリクエストでホットケーキをクマの形にしてあげる。

 

i7とRe:vale、音楽番組で共演。下岡「Re:valeは相変わらず仲いいね」千「でもフルネーム知らないっていう」

その日の歌収録、百の声が出なくなり、急遽口パクで収録することになる。まるでゼロが自分の曲をカバーするなと言っているようにも思える。

「Re:valeはお互いフルネームを知らない」?3部において千・百それぞれの本名が明かされるが、その時に名前を把握していなかったのか?

 

8章 百の声、環を見守る、壮五。

1.Re:vale楽屋。百は話す時は声が出るが、歌おうとすると喉の奥が塞がった感覚になり声が出なくなる。千は百を「病院に行けば治る、僕を信じろ」と励ます。

 

i7はファンに何を望まれているのか分からなくなり、すれ違いが続いている。

大和「やれることをやりゃいい。MEZZO"のデビューも最初は誰も望んでなかったけど今はなんとかなってる。なんとかやってきたろ、俺たちは」

万理が思うに、「シングルの売れ行きもいいしオファーもたくさん来ている。だけど根が真面目な子たちだから、要求する声に引きずられてしまう」

紡は「誰も悪くない。だけど潰れていく」と百が言っていたことを思い出す。そして今i7に必要なのは、心の支えだと気づく。

 

2.紡「頑張ってくださいも、頑張らないでくださいも含めて、今だからこそこの言葉を言おう」

レッスン場に向かった紡。i7メンバー1人ひとりに感謝と励ましの言葉を言う。

紡「i7が大好きです!i7は最高のアイドルです!i7はここにいる7人の、誰が欠けても、誰が変わっても不完全です。ここにいるi7がパーフェクトなんです。顔を上げて、胸を張って、ありのままのi7でいてください」

紡に励まされ笑顔を取り戻すi7。

 

3.寮。大和は三月に「お前は俺に一生懸命ってやつ教えてくれたかた、ほどほどってやつ、俺が教えてやるよ」と頑張りすぎる三月にセーブするよう言う。

陸は、一織にセンターを代わってくれたお礼の品物は何がいいか聞き、仲直りしようとする。

 

MEZZO"の会話。

環「ファンの子が俺が最近頑張ってて嬉しいって泣いちゃったんだ。それでゆきりんが、テレビの向こうの理を楽しませろって言ってたのを思い出した。そーちゃんがこの前、嬉しいって言った時とか、親父が出てきた番組で怒ってくれた時も、見てくれてる、繋がってる気がした」

驚くのと同時に、壮五は気づく。「ああ、そうか。僕はずっと人に見られていたから、怒ったり泣いたりするのが上手く出来なくなったんだけど、君は反対だったんだね。君は見守る人がいなかったから、いないと思っていたから、自分で大声を出して怒るしかなかったんだ。ひとりぼっちで自分の身を守るくせがついてたから。君を見てるよ。君がつらい時、悔しい時に、ひとりぼっちで怒らなくていいんだ。ちゃんと君は見守られてる。約束するよ。君の声がピアニシモより小さくても、必ず気付けるように努力していく。君が嫌な思いをしたら僕が先に怒るから、もう拳を振り上げなくていいよ」

環「俺はそーちゃんに何をすればいい?」

壮五「怒ったりするのは前よりできるようになったけど、20歳過ぎて人前では泣けないから、僕が悲しい時泣く係かな」

1部16章2話で、日向をパソコンで殴ろうとしたのも、2部13章2話で環の部屋の鍵をスクリュードライバーで壊すのも、壮五は単に暴力に任せて怒っているのではなく、「怒ること、感情を出すことが下手だから」こういう方法しか取れなかったのだ。

MEZZO"尊い

 

4.寮に戻った環は、紡を「いつも遅くまでありがとう」と労う。ファンやスタッフにも礼儀正しくなったと褒められるようになり、「俺がちゃんとしてると喜んでくれる人がいるから、今はあの親父の番組でも笑うと思います」という環。

環は理のことを思い浮かべる。「理にはいるのかな。見てるだけじゃなくて、家族みたいに見守ってくれる人。もし理がひとりぼっちだったら、これからは兄ちゃんが見守ってやるって言ってやろう。早く伝えたいな…」

 

九条宅。

九条「Re:valeの新曲も世間を騒がせている。ゼロのカバー曲か…伝説のアイドル、ゼロ。失われた虚像に、この国の人々は執着しすぎている。天、こけら落としで最も輝くのは君だよ。TRIGGERがRe:valeに負けても、i7に負けても…九条天だけは誰にも見劣りしてはいけない。君はゼロを超える逸材なんだから」

そこには九条のことを「お父さん」と呼ぶ、九条理という女の子もいた。それは壮五が会ったあの青い髪の少女だった。

 

9章 闇から抜け出した、IDOLiSH7

1.MEZZO"のW主演ドラマの監督から、最近の環の真面目な態度を見て、ドラマを撮るOKが出た。主題歌は『恋のかけら』。ドラマ初出演のため、大和に演技指南を頼むMEZZO"と紡。

壮五が編集者のヒロインの幼馴染の美容師役、環がヒロインが道で拾うボクサーを目指す学生役。2人の演技経験は、環は小学校の時に桃太郎のキジ役、壮五は高校(男子校)の劇で高尾太夫(女装)をやった程度。大和は練習としてMEZZO"にお互いの真似をさせる。

大和、「『Mission』の映画出演を受ける」と紡に伝える。

 

九条宅。キーホルダーを無くしたことに気付く理。天が探すのを手伝おうかと理に声を掛ける。

 

2.天と理の会話。

理が九条の養子になった理由。「九条さんが、養父の借金を肩代わりして私を引き取ってくれたんです。九条さんがいなければ、ワタシも家族も路頭に迷うところでした。とても感謝しています」

天「ボクも似たようなもの。両親が店を経営してたんだ。だけど借金を抱えてしまって、店を手放しても借金だけの頃状況だった。病気の弟がいたけど、借金を抱えながら病院通いなんてできない。ボクを引き取る代わりに借金を肩代わりすると九条さんに言われて、13歳の時に養子になった。妹ができたのは初めて」

理「私は2人目のお兄ちゃんです」

 

小鳥遊事務所のレッスン場でi7とTRIGGER合同レッスン。各ユニット(一織・陸・天/大和・三月・ナギ・楽/環・壮五・十)に分かれてレッスン。

天は、一織・陸の息が合っていないことを指摘。

天「息を合わせようとしすぎて息が合ってない。センターチェンジくらいで心が揺れる程度の覚悟なら、センターでライトを浴びる資格はない。きれいな気持ちも汚い気持ちも全部話して」

 

3.一織と陸の会話。

陸「オレは…どうしていいのか、ずっとわかんなくて…みんな一織がいいって言って、一織センターの方が売り上げもいいって聞いて。自分を否定されたような気持になって…」

一織「あなたは馬鹿じゃないですか。i7随一の歌唱力のあなたの代わりにセンターで歌う私の気持ちが、あなたにわかりますか?怖くて怖くてたまらなかった。けど皆を、あなたを助けるためだから、センターに立ったんじゃないですか。なのになんですか、その態度。ひどいじゃないですか」

陸「一織が同じような気持ちでいるって気付かなかったんだ。オレが一織をうらやんで、嫉妬してるばっかりだって…こんな気持ちに気づかれたら、呆れられると思った」

一織「馬鹿な人」

天「他人と自分を比べるから落とし穴に落ちていく。ボクは絶対、八乙女楽に勝てない。十龍之介に勝てない。だけどボクには絶対2人に負けないものがある。比較していいのは、過去と未来の自分だけ。明日も明後日も、キミたち自身に勝ち続ける努力をやめないで」

 

大和・三月・ナギ・楽のレッスン。三月と楽の会話。

三月「あんたみたいに生まれたら人生楽勝だったんだろうな。素直に羨ましい」

楽「よく言われる。だけどその度に、あんただってイケてる、何が不満なんだって思う。俺がパーフェクトな成功者に見えんのか?好きな奴にも遊んでそうって言われる。ガチでへこむっつーの。ブラホワだって俺たちも必死にやったけど、勝ったのはi7だった。俺は俺以外を生きたことはない。だけど俺を必死で生きてる。大真面目に八乙女楽をやってんだよ。お前はどうなんだ?真面目に和泉三月をやってんのか?」

三月「やってるよ…やってるつもりだよ!だけど、何が正しいのか、頭ん中ぐちゃぐちゃになっちまって…」

楽「ぐちゃぐちゃになるのは、自分の声を聞いてないからだ。ノイズは消して自分の声だけ探せ。お前に愛されるお前になれ。そしたらいつか1万人がお前を愛するようになる。それが自分自身を真面目に生きるってことだろ」

 

環・壮五・十のレッスン。

十のダンスを褒める壮五、それにやきもちを妬く環。十に「エロエロビーストめ」と言うと十は生い立ちを話し始める。

十「あれは会社のイメージ作りなんだ。本当はベッドシーンよりベッドメイキングの方が得意なんだ。ホテル王の息子っていうのも、母親の再婚相手がたまたまホテル経営者だったってだけ。本当の親父は沖縄で漁師をしてる。俺も漁師になる予定だったんだけど、船が壊れて、お金に困って芸能界に入った」

環の妹を探すのに協力すると言う十。「俺にも弟が3人いるから他人事には思えなくて。あの子たちを全員大学に行かせてやるのが夢なんだ」

「ベッドシーンよりベッドメイキングの方が得意」は吹いた。

 

4.TRIGGERによると、百はTRIGGERの番組でも歌えなかった。

午後からはゼロアリーナのステージでリハーサル。TRIGGERとの合同練習でi7にも少しずつ笑顔が戻ってくる。

 

ミスター下岡の番組収録。三月は下岡からアドバイスされる。ナギが、三月の力になってくれるよう下岡に頼んでいたからだ。

下岡「君の価値は、君がいなくなって初めて分かる。合コンの幹事と一緒さ。だけど君がいないとi7というパーティーは始まらない。誰に気付かれなくたっていい。i7を盛り上げ続けてあげればいいじゃないか。君は名司会者の才能がある。この僕がお墨付きする。自信を持って頑張りなさい」

三月はナギにお礼を言う。ナギは「ミツキのファンがワタシの味方でした。胸が痛くても、目を背けずに応援してくれるファンがミツキにはたくさんいました。ワタシたちはとても幸福なアイドルです」と言う。

三月「オレ、もう忘れない。オレを変える勇気も大切だけど、オレでいる勇気も大切だってこと」

 

5.三月に『魔法少女まじかる☆ここな』の声優のオファーが来る。羨ましがるナギ。

音楽番組にi7・TRIGGER・Re:vale出演。百はまたしても歌うことができず、千を突き飛ばし「期限切れだ」と叫んでスタジオを飛び出した。

「ちょっと一人にして」と楽屋にこもり、話をしたがらない百。

陸「オレもこの前まで一人で悩んでたけど、勇気を振り絞って話したら悩みが解けたんです。だから百さんも一人で悩まないで、無理に笑わないで」

百「だって笑ってないと不安で押し潰されそうになる。オレの幸せは借り物だから。オレは本物のRe:valeじゃないんだ」

 

10章 Re:valeの過去、陸が帰ってきた、0番。

1.Re:valeの過去。
百「オレは元々ユキさんのファンだったんだ。ユキはインディーズの頃、別の人と組んでRe:valeをやってた。2人で曲を作って2人で歌って、2人で全部やってた。すごい格好良くてオレみたいな男にも人気で、いつも2人に憧れてた。いつメジャーデビューするんだろうと思ってた矢先、有名なプロデューサーがRe:valeに声を掛けた。名前は忘れたけど、ゼロのマネージメントをしてた人。だけど方向性の違いから2人は話を断って、もっと自分たちらしくやれる事務所からデビューすることになった。

だけど、ユキさんの相方がステージで事故に遭ったんだ。それはオレも見てた。照明がユキさんの真上に落ちてきてとっさに相方が庇った。相方さんは助かったけど、顔にひどい傷が残った。それでデビューの話はなくなった。でも例のプロデューサーが2人に、『私と一緒に来るなら顔の手術台を負担する。君たちはゼロを超える伝説になる』と持ち掛けた。怪我の責任を感じてたユキさんは話に飛びついた。だけど相方さんは『ユキらしく、Re:valeらしくやれる場所を探してほしい』って書き置きを残して消えてしまった。あの時期のユキさん、本当に落ち込んじゃって見てられなかった」
「相方さんを探しても見つからなくて、ユキさんが引退を考えてるって人から聞いて、いてもたってもいられなくて、『相方が見つかるまでの間でも、相方さんと活動していた5年間だけでもいい。オレと組んでください。音楽を辞めてほしくないんです』って、ぐちゃぐちゃに泣きながら頭下げて。ユキはジェントルだから、あいつ以外考えられないって困ってたんだけど、1ヶ月通いつめていいよって言ってくれた。あの日からオレは夢を見てるみたいだった。でもこの幸せはオレのものじゃない。今のRe:valeは本物じゃない。ユキは元の相方をまだ探してる。電話してるのを聞いたんだ。だから5周年で期限切れなんだ」

 

2.そこに千が入ってくる。

千「そんなこと思ってない。節目のコンサートだから相方に見てほしかっただけだ」

百は、千が夜な夜な昔のアルバムを見たり、酒が入ると相方の話ばっかりしたり、「あいつならできるのにな」とぼそっと言ったり、元の相方に未練があると感じている。

陸は百に同調。陸「尊敬してた相手と比べられたらショックですよ。天にぃは何でもできて、オレが一番だったことなんて一度もない」

天「ボクが自分の時間を割いて面倒見てあげたのに、今さらそんなこと言うの?」

一織「親身になって世話を焼いているのに文句を言われる側の気持ちが分かりますか」と天に同調。

百・陸 VS 千・一織・楽・天で言い合いになる。止めに入る十。

千は楽にアドバイスされ「世界が終わる日まで、僕のパートナーは宇宙で永遠に1人だけだ」と百に言い、歌収録を再開する。

しかしこの日も百は歌えなかった。千は「未練があるわけではないんだけど、何も恩返しできずに自分だけ成功した後ろめたさはある。もう一度相方に会えば吹っ切れそうだ」と言う。

楽は、百の声が出ないことが「Get Back My Song」の落書きと関係があるかもしれず、薬を盛られた可能性もあると考える。

楽「目撃された落書きの犯人は、ゼロのウィザードの衣装を着ていた。中にはゼロ本人だと噂する奴もいる。(犯人は)ゼロの曲を完璧に歌いこなしたらしい。周りには拍手喝采が沸いたって話だ」

千「ゼロ本人か。伝説のアイドルは僕たちのことを怒ってるのかな」

天「カバーをやめるつもりはないんですか」

千「今のところは。歌われない歌はかわいそうだろ。ゼロの曲は名曲揃いなのに」

 

3.音楽番組の収録が終わり、壮五がテレビ局から出ると、キーホルダーを探しに来た理に羽交い絞めにされ、キーホルダーを返すよう言われる。そこで壮五は「過激な行動がそっくりだ」と環の妹の理だと確信する。

しかし理は、恩人がいて、その人のために環とは会えないと言う。

理「あの人を裏切るようなことは出来ません。わたしの恩人です。足長おじさんみたいに優しい人。あの人の期待に応えたいんです」

壮五「家族に会わせないような人は、優しい人じゃないよ」

理「困ってるのは私じゃない。私があの人を助けたいの。あの人は傷ついてる。大切な光を失ってしまったから…傷ついて、苦しみながら、もう一度夢を叶えようとしてる。私はあの人の夢を叶えてあげたい。だけどあの人が本気で、最後の夢を託してるのは私じゃなくて…」

言いながら理は、通りかかったTRIGGERの宣伝カーの天を見る。

そこに環が来て、それに気付いた理はそのまま去ってしまう。

壮五は「理に会ったことを環に話せば環がまた仕事を放り出してしまうかもしれず、そもそも環は理が見つかればi7を辞めてしまうかもしれない」と考え、理に会ったことを話すべきか逡巡する。

 

小鳥遊事務所。i7は新曲のシングルとセカンドアルバムをリリースすることになった。新曲では陸がセンターをやりたいと名乗り出る。

陸「オレがやります。やりたいです!前の曲の時は一織に助けてもらったけど、今度はちゃんと、自分の役目を果たすよ」

ファンへのフォローとして、次のライブのMCでセンター交代についてメンバーの気持ちを話すことになる。

紡「特に、陸さんの体調不良の件は正式に公表していませんから」

陸「病気のこと、オレは伝えたくないな。ファンに心配かけたくない。オレたちを見て、楽しい思いだけしてほしい」

紡「ですが、悩みを打ち明けてもらったり、正直な気持ちを聞かせてくれた方が、安心することもあると思うんです」

陸「情けなくて、不完全なものだとしても?」

紡「完璧なものってなんですか?」

陸「天にぃの…TRIGGERのライブみたいな…」

紡「陸さんのファンが見たいのは、完璧なものではなく、完璧に陸さんらしいものですよ。一生懸命で、見ていてはらはらする、ありのままの陸さんが好きだから、今まっでずっと応援してくれたんです」

 

一方、壮五は理のことを誰かに相談しようと思うも、メンバーや紡に負担をかけたくないため、結局一人で抱え込んでしまう。

 

4.i7ライブ。MCでセンターが陸に戻ることをファンに報告し、メンバーがそれぞれの気持ちを語る。

一織「数ヶ月、センターに立ってとても貴重な体験ができました。ありがとうございます。七瀬さんは不甲斐なくて、頼りなくて、うっかりした、年上のくせに色々足りない人ですが…自分でセンターに立ってみて改めて、七瀬さんはすごい人だと思いました。皆さんと同じように…いえ、この会場の中で私が一番、七瀬さんのボーカルが好きです」

陸「今日、本当はちょっと不安でした。でもステージに立って、みんなの笑った顔を見てたら全部吹き飛びました。ファンのみんなが大好きです!一織も大和さんも三月も、壮五さんもナギも環も、みんな、みんな大好き!うちのメンバー、みんなすごいんだよ。それでみんな優しいんだ。めちゃめちゃ自慢したい!メンバーにもファンのみんなにも、もう悲しい顔はさせないように、精一杯歌い続けて、大好きな大切な、この空間を守ります」

『RESTART POiNTER』ムービー。

色々な想いを抱えながらリスポを歌うメンバー。

陸「きっとこの曲を歌うたびに、今夜のことを思い出すよ」

三月「みんな笑ってくれてる。この瞬間が大好きだ!最高にオレは幸せだ!」

一織「くだらない思いは全て忘れて、気持ちをリセットさせてくれる」

大和「ここが自分の居場所だって、自分にも出来ることがあるんだって」

環「いつも見守ってくれてる」

壮五「僕の大切なものたちを認めてくれてる」

ナギ「懐かしい故郷に帰ってきたように」

陸「だから歌い続けていられる!」

i7とファン、スタッフの気持ちが一つになり、拍手と歓声はなかなか鳴り止まなかった。

 

5.以前のようにi7はすっかり仲良しに戻った。MEZZO"は一緒に出掛ける。

新しくポスターの落書きが見つかったとSNSで話題になっている。

三月がゼロに会った時の話をする。「うちの店の前にふいにゼロが現れて、人が集まって大騒ぎになった。ゼロは嫌な顔ひとつしないで、短いフレーズを踊ってくれた。一織も見てたんだぞ、ベビーカーの中で。夢みたいな時間だった。店にはその時のサインが飾ってある」

大和「ゼロが消えた理由は色々な説があるみたいだ。芸能界の大物に睨まれたとか、人気を政治に利用されそうになったとか、どこかの国の王室関係者だったから情報が消されたとか」

三月「王子様がわざわざアイドルやったりしないだろー」

 

ゼロアリーナでこけら落としの打ち合わせ。支配人いわく、「ゼロが消えたのは、夢を浴びすぎて狂ったからだ。伝説のライブを最後に、ゼロは忽然と姿を消した。代わりにその日、ゼロアリーナから精神病院に運ばれた人がいる。君たちもアイドルならわかるだろう。日本中の注目と期待を集めて歌うことが、どんなに大変か。ゼロはきっと優しすぎたんだ。10の期待に応えて100を求められて、1000の期待に応えて一億を求められて…そうして壊れてしまった。証拠があるわけじゃない。だけどそれ以外に考えられないだろう」

その話を聞いて不安に思うi7メンバー。陸「オレたちは1年後、5年後、何か変わってしまったりするのかな」。「i7は私が守ります」と言う紡。

 

翌日、小鳥遊事務所の入り口のドアに「Get Back My Song! Haruki The Betrayer!(僕の歌を返せ!裏切者の春樹!)」と赤ペンで落書きされているのが見つかる。

「王子様がわざわざアイドルやったりしないだろー」は、1部17章1話と同じように「ナギ=王子様」の暗示?

あるいはゼロは本当に王室関係者だったというフラグ?しかもノースメイアによく行っていたことから、ノースメイア王室関係者?

  

11章 ゼロ事件と、ナギのスピーチ。

1.事務所にこの落書きをされた事件をきっかけに、小鳥遊事務所がゼロの曲を流用し、ゼロとそのファンが怒っているという噂が広まってしまう。

事務所にはマスコミが押し寄せ電話が鳴り止まない。万理が「回線が混みあっており、お繋ぎできません…」というメッセージをマスターするほど。

紡と音晴が話し合っていると、ナギが入ってきて「特別広報マネージャーになる」と申し入れる。

ナギ「ハルキの歌、預かったのはワタシです。ワタシに責任があります」

音晴「やはりナギくんだったんだね。なんとなく予感はしていたよ。桜春樹氏の作曲した曲だということも」

 

2.「祖国にいた頃は月に1度、国民の前で定例会見を行っていました」と言うナギの提案に乗り、落書き事件と桜春樹についての記者会見を開くことになる。
記者会見前日、MEZZO”は歌番組で『恋のかけら』披露。大物シンガーから桜春樹の件についていびられる。環は壮五の態度に違和感を覚え、「何か隠してることない?」と訊くが、壮五は「ない」と答える。


寮。壮五は、環を陸に、理を天に、壮五を一織に置き換え、火消しの例え話として理のことを陸に相談する。陸が「その一織、役立たずですね」と言ったのをたまたま一織が聞いてしまい、陸に嫌われていると誤解する。
環は大和に部屋で、壮五が何か隠し事をしていると相談する。環は「壮五が環を尊敬している」という大和の嘘にも気づいていた。
ナギの部屋に一織・三月・紡が集まり、翌日の記者会見の準備をする。

 

3.記者会見。

ナギは流暢な日本語でスピーチする。上品でユーモアも含んだそのスピーチで、記者たちを味方にすることができた。

ナギ「ハルキとワタシのサインが入った、権利譲渡の契約書が存在します。ワタシたちは、一連の事件がゼロ本人の犯行だとは考えていません」

すると記者席の後ろから赤いペンキのスプレー缶が投げつけられ、人影が逃げていく。i7メンバーは人影を追いかける。

 

4.人影を追いかけて街に出たi7メンバー。そこにはゼロのウィザードの衣装を着た人物がおり、人々の注目を集めていた。その人は優雅にお辞儀をして「ボクの歌を返してもらうよ」(九条の声)と言うと、i7の曲を歌い始める。

その圧倒的な歌唱力に、街中が魔法にかかったように色めき、皆が本物のゼロだと信じる。

その時、自然に微笑みかけた三月がはっと目を見開き、「違う、あいつはゼロじゃない!」と言う。

いつの間にか忽然とゼロ(らしき人)は消えていた。

 

12章 ゼロの復活に、翻弄される、こけら落とし

1.ゼロが復活したという噂に日本中が沸く。テレビでは連日ゼロの特集が組まれる。

ゼロアリーナこけら落とし最終日にゼロが復活するという噂まで流れ、Re:valeのライブチケットが高値で売買されている。そんな中、Re:valeのもとに「5周年記念コンサートでゼロの曲を歌えば、ゼロアリーナが大惨事に見舞われるだろう」という脅迫状が届く。

 

小鳥遊事務所にも、桜春樹の曲を歌うなというクレームの電話が未だに来続けている。

三月「あんなやつ、本物のゼロじゃない!ゼロに会った時の、魔法にかかったような、不思議で幸せな気持ちがなかった。作り物みたいだった。パフォーマンスに熱狂はしたけど、心は動かなかったっていうか…」

 

ゼロの件について、マスコミから質問攻めされるTRIGGER。

記者「Re:valeとi7をどう思っていますか?」天「素敵なライバルだと思っています」

記者「ゼロの領域は侵さない方がいいと思いますか?」天「今の時代のアイドルが3グループも集まって、彼を超えられないとは思いません」

記者「ゼロを超えるなど失礼ではありませんか?」楽「俺たちはゼロを尊敬してるからこそ近づきたい。追いつきたい。昔は良かったとか言ってて恥ずかしくないのか?今の時代もすごいって言われたくないのかよ」

天「落書きや脅迫状は、ちょっとアイドルの仕事じゃないと思うんですよね。ボクらが皆さんにお届けできるのはこういうものです」と言い、新曲『Last Dimension』をその場で急遽披露。

Re:valeのチケットが高値で売買されているっていうの、現実のアイドルっぽくて生々しくてテンション上がった。

ていうか道端で急に踊るなやTRIGGER!許可取って!許可!

 

2.TRIGGERの対応に勇気づけられるi7。一織は、マスコミを使ってTRIGGERの印象操作をしようと考える八乙女社長をコントロールし、利用しようと言う。一織は「2度と役立たずとは言わせません」と躍起になっている。
紡・姉鷺・Re:valeのマネージャー岡崎凛人も一連の事件の犯人に対抗するため結束する。紡は3グループに好意的な芸能人をリストアップし八乙女事務所に送る。
八乙女は大物女優や漫画家、千葉志津雄らによる、ゼロアリーナリニューアルのお祝いコメントを街頭ビジョンなどで放送し、こけら落とし公演に好意的な印象を付ける。千葉「千くんとはデビューした頃からの付き合いで、よく家に遊びに来てくれました」
さらに、ナギの分かりやすくスマートな記者会見のスピーチが繰り返し放送される。

 

3.マスコミを利用した八乙女事務所の尽力で、世間はRe:vale・TRIGGER・i7に好意的に戻っていった。『RESTART POiNTER』はランキング1位を獲った。

 

Re:vale楽屋。千と大和が話している。千「志津雄さんが喜ぶ。かわいい息子が映画デビューするんだからな」

 

MEZZO”ドラマ撮影。「いいから彼女の居場所を言え!なんで隠してたんだよ!」という台詞の練習をする環。理に会ったことを言い出せていない壮五には胃が痛い脚本だ。

壮五は「次のオフに一緒に遊ぶ時に大事な話がある」と環に伝える。

 

九条宅。九条はTRIGGERが受けたインタビューについて、「よく言った。ゼロは過去の虚像だ。お前は名実ともに時代を塗り替えるスターだ。僕はゼロを超えるスターをずっと探し続けていた。天を見つけた僕の目に狂いはなかったよ。これからも期待しているよ。ゼロの街中のパフォーマンスも、落書きも気にするな」

天「ゼロを超える…ボクがその夢を叶えた時、あなたは本当に喜んでくれますか?」と呟く。

 

i7・TRIGGER合同練習最終日。Re:valeからフルーツの差し入れが届く。陸がRe:valeにあるサプライズをしようと思い付く。

環・壮五・十のレッスン。環はタオルを借りようとして壮五のカバンの中を探すと、理のクローバーのキーホルダーを見つけてしまう。それは環と理の母親が2人に作ったものだった。

 

4.キーホルダーを見つけたことから、「理に会ったのか、なんで話さなかった」と壮五を問い詰める環。「なんで隠すんだよ!?俺があいつを探してること、あんたが一番よく知ってるはずだろ!?」

壮五「知ってるからこそ、軽率に話して君を動揺させたくなかったんだ!ドラマの仕事を放り出したらまた評判が悪くなる」

環「理のことを聞いたら、仕事を放り出すって思ってたのか…?いままで頑張ったのに、本当は俺を信用してなかったのか…?もういい、俺はMEZZO”を辞める。あんたは信用できる奴と組めよ」

ムキになってレッスンを続けようとする環を十が制止し、壮五に席を外すよう言う。

環と2人で話をする十。

環「どうしてこんな大事なこと言ってくれないんだ。じゃあもう止める!真面目にやるのも、頑張んのも全部止める…!遅刻しないように、台本も覚えて、迷惑かけたらやだから、あいつがまた倒れたらやだから、頑張ったのに…信用されてなかった。あいつはダメなやつだって思われたままだったんだ」と涙を流す。

環くんが可哀想で可哀想でたまらなくて、でも壮五くんの気持ちも痛いほど分かってつらい。そしてどこまでも巻き込まれ体質の十さん、おもしろすぎ 可哀想すぎる。

 

13章 キーホルダーと、MEZZO"のすれ違い。

1.環「MEZZO“も辞める、理に会ったらi7も辞める」

十「そんなことを気軽に言うから、君は信用してもらえないんだよ。君が頑張ったことを台無しににてるのは壮五くんじゃない。君のそういう態度じゃないか」

環「だって…褒めてほしかったんだ、そーちゃんに…あいつとうまく」やるのなんて無理って思ってたけど。俺に憧れてるって言われて、ちゃんとしたら褒めてくれて、もっと頑張ろうって思えた。憧れてるっていうのも嘘だってだんだんわかったけど、いつか本当になったら嬉しいなって…でもあいつの中では、俺はずっとだめな奴のままだったんだ」

十「君だって同じだろう?1回のすれ違いで、もう絶対わかってもらえるはずがないって思い込んでる。最初から相性ぴったりのメンバーなんていないよ。俺たちだってそうだった。最初はピリピリしてたけど、今はかけがえのない、最高の友達だ。君たちだってそうなれるよ」

 

レッスン場から出てきた壮五に大和・陸が気付き、壮五は理に会ったことを2人に話す。

大和「なんでも話せって言ったじゃないか。寄りかかることを覚えてくれよ。ソウが話せなかったのが寂しいんだ。俺たちは仲間だろ。お前が何か隠してること、タマは気づいてた。家のことで何かあったんじゃないかって心配してた」

 

2.大和・壮五・陸の会話。

大和「ソウが思ってるよりずっと、タマはソウのことを考えてる。あいつは家族との縁が薄かったから、ソウのことを兄貴みたいに、家族みたいに思ってる。でもソウは完全に自己完結型の一人っ子。俺も誰かを信用したり、されたりすんのは得意じゃなかった。ソウは身長で用意がいい。そこはお前の長所だ。だけど俺たちには迷惑かけていいんだよ。お前はi7の7分の1で、MEZZO”の2分の1だろ?」

大和はガキの頃に裏切られたと思うようなことがあった。

 

それから環・十に壮五が合流し、レッスンは終わったが、MEZZO”はほとんど会話しなかった。

 

壮五「僕が環くんを傷つけた責任を取らなきゃ…人に頼るって、仲間ってなんなんだろう…悩んでるだけじゃ、また自己完結だ。変わらなきゃ。自分を変えなきゃ。1人で生きてちゃだめだ」

壮五は1人で抱え込むのをやめて環と話をしようと決め、環の部屋を訪ねる。しかし環にはドアを開けてもらえず、壮五はスクリュードライバーで鍵を壊す。

壮五「理ちゃんの居場所を探し出すためにどんなことでもして、君を傷つけた責任を取る。だからMEZZO”を解散しないでほしい」

そして2人で遊びに行くはずだった翌日、理を探しに行くことになる。

「お前はi7の7分の1で、MEZZO”の2分の1だろ?」というセリフがすごく好き。i7はいつも「7人で1つ」という意識を持っているが、それを端的に表していると思う。以前にもそれがわかるセリフが出てきている。

・一織「私たちは7人いるんですから、弱点はカバーし合っていけばいい」(4章1話)

・三月「パーフェクトなやつが7人じゃなく、7人でパーフェクトでもいいじゃん」(6章1話)

・紡「i7はここにいる誰が欠けても、誰が変わっても不完全です。ここにいるi7がパーフェクトなんです」(8章2話)

 

3.この日はi7は全員オフ。

環・壮五は理を探しに、一織・陸はRe:valeにサプライズをする許可を取りに行く。三月・ナギは千の昔の相方を探すため、Re:valeのファンだと言っていた万理に手がかりがないか聞きに行く。大和は日帰り温泉に万理を誘う。

 

三月・ナギ・万理の会話。百が歌えなくなったことを知って、万理は「Re:valeはあんなに仲が良さそうだから上手くいってると思ったのに」と言う。千の相方が見つれば千が吹っ切れ、そうすれば百も吹っ切れる、略して「スッキリRe:vale」をしたい三月・ナギ。

万理は何か策がある様子。

 

テレビ局に来た環・壮五。

壮五「彼女についてわかっていることは、君が元気なのか確認したがっていること。キーホルダーを取り戻したかっていること。彼女を表に出そうとしない庇護者がいること。彼女は九条さん(天)に反応していたから、九条さんの出演番組は追いかけてるかもしれない」

そして、TRIGGERの生放送の番組を利用して理を探し出そうと考える。

FSC会長である父からの伝言だ」と言ってスタッフにあるメモを渡し、天に「キーホルダーを受け取った四葉環が体調を著しく損ねている」と読ませ放送させる。

スポンサー権限強し。必要とあらば御曹司の特権をフル活用する壮五くん、意外と図太い。

 

4.同じスタジオには九条が見学に来ていた。

放送が終わると、九条は環・壮五にコーヒーを淹れる。

九条は環に「君はなんとなく僕の娘に似てるね」と言う。

九条「今日は息子の仕事の見学に来た。心配してたけど、大人に混じって立派に仕事をしてる。僕にはもったいない自慢の息子だよ」

それが九条だと知らない2人は、九条と自分の父親たちを比べ、「こんな父親がいたら良かったのに」と羨ましく思う。

「逢坂さん」とスタッフに呼ばれた壮五に、九条「逢坂って、FSCの逢坂?逢坂に知り合いがいたんだ。バンドをやっていた数年前に亡くなってしまったんだけど。知ってるかな、逢坂聡…」

その後、「(聡は)ゼロを超える才能もない凡庸な男だった。あそこにいる僕の天とは違いすぎる」と呟

く。

天が「環がキーホルダーを受け取って体調を崩した」と言ったのをテレビで見ていた理は、環に会おうとテレビ局に向かう。

 

14章 環と理の再会、九条とゼロ。

1.万理を日帰り温泉に誘えなかったため街を歩いている大和。三月・ナギと合流したところに、走ってきた理とぶつかる。理は彼らがi7のメンバーであることに気付き、「病気のお兄ちゃんに届けなきゃいけないものがある」と言う。そこに紡が車で通りかかり、4人をテレビ局まで送っていく。

 

また相談せずに策を考えた壮五に怒る環。

 

一方、同じテレビ局のRe:valeの楽屋に一織・陸が来ていた。Re:valeへのサプライズのため、出番を中座ではなく前座にする許可をもらうことができた。

一織が前の千の相方のことを聞く。

千「相方が消えたきっかけは、天の養父でもある九条鷹匡。後輩の親の悪口は言いたくなかったから、今まで黙っていた。九条はにこやかだけど、強引な男だ。強引じゃ済まない…何かに取り憑かれてる…しつが顔に怪我をしたのだって、九条が僕たちを手に入れるために仕組んだんじゃないか、今でも僕はそう思ってる」

陸「天にぃはどうしてそんなやつを信用してるんだ。九条が正しいなんて、やっぱりオレは思えない」

千「今日、九条が天の収録の見学に来てるらしい。興味があるならお前たちも会ってくるといい。だけど気を付けろ、あの男の闇は深いぞ」

 

2.いつの間にかスタジオからいなくなった九条を探す天。楽に誰を探しているのか訊かれても、話したがらない。楽は「お前ちょっと秘密主義だぞ」と注意する。

 

十はMEZZO”がまた喧嘩になった時に仲裁できるよう、テレビ局の外でMEZZO”と一緒に理が来るのを待つ。十は、壮五がFSCグループの御曹司だとここで初めて知る。

紡の車がテレビ局に到着。理が環に抱きつき、再会を果たす。環が体調を崩していると思っている理はお見舞いに王様プリンを渡す。

理「兄ちゃんいつも風邪ひいた時、王様プリン食べると元気になったでしょ?だから元気になって…死んじゃやだ…」

環「馬鹿だな、死んだりしねえよ。これからはいつも一緒だ。これからは兄ちゃんがお前を守ってやるから。これからは2人で暮らそう…兄ちゃん、今アイドルやってんだ。お金はちゃんとあるから心配すんな」

しかし、理は「環とは一緒に暮らせない」と言う。理「お世話になってる人がいるんだ。私の新しいお父さん。その人と一緒に暮らしてるから…あの人に恩返しがしたいの」

 

「俺と来い」と理を誘う環。環を天が制止する。

天「今は戸籍上、理はボクの妹だ」

理「兄ちゃんのこと大好きだよ。ずっと会いたかった。でも私には新しい家族が…九条さんと天お兄ちゃんがいるの。九条さんには、里親になってくれた人の借金を肩代わりしてくれた恩がある。おまけに、海外で歌やダンスのレッスンを受けさせてくれたの!私、アイドルになるんだ!私には無理かもしれない。だけど、ゼロを超えるアイドルを育てることが九条さんの夢なら…私はその気持ちに応えたい」

環「なんだよそれ…誰なんだよ、九条って…」

そこに九条が現れる。九条「遠い昔に、ゼロと同じ夢を見た男だよ」

十さんはMEZZO"兄弟のお母さんかよ

 

3.九条「ボクとゼロと春樹、あの頃、3人がいればどんな夢も叶うと信じていた。僕はゼロのマネージャーであり、ゼロのライブの舞台演出家(=Haw9)だった。ゼロの歌が輝くように、ゼロのダンスが七色に弾けるように、夢中になってステージを彩った。彼が虹を越えるように、夜空の星のようにきらめくように。だけど、ゼロは僕を裏切った。夢の半ばで僕を置いて、どこかに逃げてしまった。だから僕はゼロを超える伝説を作ろうと決めた。とてもつらく、悲しい日々だった。世界中を巡ってスターの原石を見つけても、誰も僕の期待に応えてくれなかった。逢坂聡もRe:valeの千も、僕が与えたチャンスを無駄にして、二流のまま終わっていった。だけどやっと、僕はみつけたんだ。僕の夢を叶えてくれる子供たちを。ゼロを超える人材を。天、理。この子たちが、最後に残された僕の希望だ」

楽・十は、天がゼロを超えるために九条に育てられていたことを初めて知る。

 

陸「久しぶりだな、九条。オレのことなんか覚えてないだろ。お前が潰した店の息子で、お前が連れ去った七瀬天の双子の弟だよ…!てんにぃ、そいつと行くな!あの頃は言えなかったけど、今ははっきり言える!そいつは千だんを手に入れるために、千さんの相方に怪我をさせたかもしれないんだよ…!」

九条「ひどいことを言わないでくれ。僕は千に、Re:valeに期待していたんだ。ただ、残念に思うだけだ。僕の言うことを聞いていたら、完全なRe:valeになれたのに…」

 

そこにRe:valeがやって来る。

千「完全なRe:valeはここにある。僕とモモが築いてきたRe:valeだ。あんたの理想を押し付けるな」

九条「君はともかく、隣にいる子は二流だ。二流が傍にいるとスターの輝きを濁らせてしまう。惜しいね、千はもっと輝けたのに。ゼロに挑戦する姿勢だけは評価してあげるよ。ゼロの伝説はもっと早く壊すべきだった。彼の時代はとっくに終わったんだ。だが、ゼロに代わる新しい伝説を作るのは君たちじゃない。僕がこの手で創り出す」

一織「いいえ。新しい時代にあなたの出る幕はありませんよ、おじさん。あなたは過去の亡霊にすぎません。ゼロを超える伝説を創り出すのは、私とマネージャーです。私と彼女がi7を、ゼロを超えるアイドルにしてみせます」

壮五の叔父、逢坂聡は九条にスカウトされたことがあったが、そのチャンスをものにできなかったと予想できる。

 

4.紡も一織に促されて「ゼロを超えて新しい伝説になるのは私のi7です」と言う。

 

環は理を引き留めたいがあまり、天を殴ろうとし、楽・十に止められる。そのまま天・理・九条は行ってしまう。

 

小鳥遊事務所。

三月「ゼロはマネージャーにも何も言わないで消えたのか」

ナギ「だとしたら、ゼロが狂ったという説はデリートされましたね。入院が本当なら、入院先の病院くらい、マネージャーは知っているはず」

三月「でも不思議だな。代わりを探そうとした九条と、ゼロを探し続けた桜春樹。ゼロの傍にいた人たちは、バラバラの行動を取ったわけだ」

ナギ「ハルキはゼロを愛していました。ですが、ミスタークジョーはゼロを恨んでいるのかもしれませんね」

三月「マネージャーだったらどうする?もしもオレたちが、突然どこかに消えたとしたら」

紡「私は…探し続けると思います。皆さんと描いた夢を、他の人に託すことは出来ません。でも、すごくショックだと思います。皆さんが突然いなくなったら…立ち直れないくらい」

 

一織と紡の会話。

紡「どうして、ゼロを超えるなんて言ったんですか?」

一織「超えられると思ったからです。今の仲間と、あなたがいるなら。私たち、いいコンビだと思いませんか?i7のマネージメントコンビ。私だけでも、あなただけでも、今のi7は作れなかった。2人なら超えられると思いませんか。あの男を、ゼロを」

 

5.壮五の部屋に集まる環・壮五・陸。家族を九条に壊された3人は、九条を共通の敵として結託する。

陸は天に電話するが繋がらない。

陸「あいつさえいなかったら、オレたちは一緒に暮らしてたんです。千さんの相方だって、いなくなることはなかった。理ちゃんだって、環のところに帰ってた。ゼロが突然いなくなって、寂しくてつらい思いをしたのはかわいそうだけど…ゼロを作りたい、ゼロを超えたいっていう、あいつの夢は、周りの人間をバラバラにするんだ」

壮五「確かに、あの人の夢は少し怖い感じがする」

 

八乙女事務所。

楽は「俺たちのことをどう思ってるんだ。ただのビジネスパートナーか?いつでも抜けられるグループか?」と天を問い質す。

天は照れながら「友達だと思ってる」と答える。

楽「お前が何を背負ってても、俺たちはTRIGGER。運命共同体だ。お前が伝説になるなら、俺たちが引き金になってやる。お前を守ってやる」

 

Re:vale楽屋。百の状況は変わらず、歌おうとすると声が出なくなる。

百「あの人、オレは二流って言ってた。ユキの傍にいるのは良くないって…オレじゃなかったら、完全なRe:valeに…もし、こけら落としで歌えなかったら、会場中の人が思うのかな。オレじゃなかったらRe:valeは完璧だったのにって」

千「九条の言ったことは忘れろ。今はこけら落としのことだけに集中して」

 

そしていよいよこけら落としの日がやって来る。

 

15章 こけら落としと、Re:valeの帰着。

1.こけら落とし公演初日。TRIGGERのミュージカル『Last Dimension -引き金を引くのは誰だ』は成功に終わる。i7、九条と理も初日公演を見に来ていた。

九条「さすがだね、天は……他の2人もなかなかの逸材だ。割れるよう歓声……昔のことを思い出すよ」

 

i7はその帰り、ファンたちに応援の声を掛けられる。その中には一織・陸のファンサイトをやっているOLもいた。

中日、i7のライブも成功。手を繋いで挨拶するi7。

 

2.最終日。Re:valeのライブ当日。

百「今日も歌えなかったら新しい相方を探してください。なんかあったら、オレがユキさんの盾になります」

千「嫌だ……二度もパートナーを失うのは」と呟く。

 

楽が百を呼び、千は1人で楽屋に入る。

すると楽屋には、百のペットボトルを触る大和がいた。千が怪しんで大和の身体検査をすると、何かの粉を見つける。

大和は「ゼロを殺した芸能界に復讐するため、百に毒を盛った」と話す。千は取り乱し、「モモの声が潰れる事があったら君を一生許さない…!あいつが隣にいてくれたから、僕は音楽を続けていくことができたんだ」と叫ぶ。

 

3.千が取り乱すなか、百がどこか嬉しそうに入ってくる。

TRIGGER・i7がRe:valeの楽屋に集まってきて、これが千の百への愛情を試すドッキリだったことを明かす。

 

そこに万理が登場し、驚く千と百。万理が千の元相方であることが分かった。

万理「小鳥遊社長に拾ってもらって、今はi7の事務所で働いてる。自分で歌うことはもうないけど、i7の子たちのおかげで毎日とても楽しくやってるよ。Re:valeのこともずっと応援してた」

百「オレ。バンさんのファンでした。憧れだったバンさんの代わりにユキの隣にいていいのか、ずっと悩んでいた」

万理「君のおかげで千は音楽を続けてくれたんだ。感謝してるよ。千は俺のぶんも背負って歌ってくれてたんだろう?」

千「おまえと作ったRe:valeを。この世から消したくなくなかったんだ……」

万理「わかってる。だけど君は1人じゃない。もう君と百くんのRe:valeが本物のRe:valeだ。これからも誰より大きな声で、2人に声援を送るよ」

 

4.Re:valeライブ。

前座のi7・TRIGGERは、各ユニットの曲と、サプライズでRe:valeの曲のメドレーを歌う。それを見たRe:valeはそれぞれの曲に詰まった思い出を噛みしめ、千は百に「君が僕のパートナーだ」と伝える。百はようやく歌えるようになり、生歌を披露した。

 

すると、例のウィザードの格好をしたゼロらしき男が客席から逃げ出し、i7・TRIGGERはそれを追う。天が陸を「埃っぽいところで走るな」と止めると「天にぃはもう家族じゃない」と反発され、傷ついた表情をする天。

男に追いついた天は、その顔を見て何かに気付いた様子。すると電気が消え、その隙に男は消えていた(天が逃がした?)

一方、ステージではRe:valeがゼロの曲をカバーして歌う。i7・TRIGGERも挨拶し、ライブは無事終わった。

ゼロの格好をしていたのが九条だと気づいた天が、電気を消し九条を逃がした?

 

5.打ち上げ。

音晴のおごりで念願の懐石弁当を食べるみんな。千が万理とアドレス交換しようとし、プロフィール用に万理の写メを撮ろうとする。十が酔って天にビールをかけ、天は着替えると言って出ていく。

百はグラスの中から「僕の歌を歌ってくれてありがとう ゼロ」と書かれたカードを見つける。

壮五「じゃあ、記者会見や今夜のライブに現れたゼロは一体……」

一織「ただの狂信者でしょう。時代遅れのね」

 

九条宅。いつの間にか帰った天は、ウィザードの衣装を着たまま眠る九条を介抱する。

九条が目覚める。「懐かしい夢を見ていたよ……ゼロアリーナでゼロが歌う夢……彼を応援するだけで幸せだった頃の……」

天「知っています。本当のあなたの夢は、ゼロを超えることじゃない。ゼロを超えるスターを育てる……そう言いながらあなたは、自分自身で無意識にゼロになるほど、ゼロを求めている」

 

こけら落としの数日後。ゼロアリーナの前で陸と天が会う。九条と理はレッスンのため海外に行った。

陸「まだまだ未熟だけど、全力で頑張って、天にぃの認めるアイドルになってみせる。そしたらi7のコンサートチケットを買って。笑顔で全力を尽くす約束。天にぃが言ったろ。オレが約束を守れるアイドルになったと思ったら、チケットを買ってオレに会いに来て。必ず天にぃをオレのファンにしてみせるから」

後ろ姿のTRIGGERの姿が映され、3部に続く。

 

16章 IDOLiSH7と、幻のデビュー曲と、TRIGGERと。

1.『NATSU☆しようぜ』にまつわるi7とTRIGGERの関係まとめ。
・i7のデビュー曲になるはずだった『NATSU☆しようぜ』のデモCDを日向アキヒトが盗み、TRIGGERの新曲として発売した。
・i7はサウンドシップで出られなくなったTRIGGERの代わりに『NATSU☆しようぜ』を歌った。
・TRIGGERは『NATSU☆しようぜ』がi7から盗んだ曲だと知り、歌わなくなった。


翌年の夏、万理とi7メンバーは沖縄で撮影した『NATSU☆しようぜ』の幻のMVを見ている。蕎麦の出前に来た楽(にそっくりな店員)に、「カラオケで歌ったんです」と慌ててごまかす陸。楽はそんな言い訳をさせてしまうことを申し訳なく感じる。

 

2.テレビ局の廊下で、ナギがスマホでここなグッズの予約をしようとしている。十がナギに挨拶すると、ナギはタイミング良くポチれず予約戦に負けた。

ナギは「『NATSU☆しようぜ』を歌わないなら返してください。曲が泣いています」と十に言う。そこに三月が通り、グッズをポチれなかったナギに「ここにないもんを悲しむより、誰かのとこで誰かが幸せになったと思った方が、ナギだって元気になれるだろ?」と励ます。それは『NATSU☆しようぜ』にも通じることだった。

 

スタジオ。大和が天に「『NATSU☆しようぜ』をTRIGGERが歌ってくれるのを期待している」と言う。

第1回夏ノ島音楽祭にi7の出演が決まる。夏のビーチでの野外ライブなので、TRIGGERの『NATSU☆しようぜ』を聴きたいと思うi7メンバー。

 

3.夏ノ島音楽祭で『NATSU☆しようぜ』を歌いたいと八乙女社長に直談判するTRIGGER。しかし八乙女は「臭いものには蓋をするのが一番だ」と却下する。姉鷺も初めはTRIGGERに歌わせてあげたいと思っていたが、八乙女の意見を聞いて「盗作された曲で、しかも桜春樹の曲を歌っていたと分かれば、Re:valeのように傷つくかもしれないから」とTRIGGERに言い聞かせる。

天「その気持ちはよく分かります。それでもたまに、無傷でいることがそんなに大事なことなのか疑問が沸きます」

姉鷺「不況で重く沈んだ今の時代で、人々は安心して愛せるものを選ぶ。不安な気分にさせるアイドルに価値はない」

天「なら、なぜ人が嫌う失敗や挫折を繰り返しているi7が、人の心を動かしてブラホワでボクらに勝ったんだ」

とにかく『NATSU☆しようぜ』を歌うことは認めないという姉鷺。楽は盗作のことを世間に公表すると言い出す。

そのために日向の盗みを目撃した環・壮五に証言してくれるよう頼みに行く。TRIGGERに泥を塗るようなことはできないと言う壮五、王様プリンと引き換えに環に証言させようとする楽、後輩を巻き込めないと言う十は揉める。

 

紡「TRIGGERは背負うものが大きいから、ガラスケースの中で厳重に守られているようなやりづらさをたまに感じる」

陸「昔と正反対だ。無菌のきれいなベッドで守られていたオレに、天にぃが自由な世界を見せてくれた。今度はオレが天にぃを楽にしてあげたい」

姉鷺さんはわりとキャラブレする。TRIGGERと八乙女社長、どちらを一番に考えているのか。「本当はTRIGGERの意見を最優先にしたいが、社長の言うことには逆らえない」という板挟み的な感じなんだろうか。

 

4.夏ノ島音楽祭前日。

会場近くのホテルでTRIGGERと一織・陸が出くわす。天は陸に、外で「天にぃ」という呼び方はやめるよう注意する。

陸「i7からTRIGGERに曲紹介をする時に『NATSU☆しようぜ』を振るから歌って。バンドの人たちも協力してくれるよう話してある」

楽「なんでお前らがそこまでするんだ」

陸「TRIGGERのためじゃない。曲と、ナギのためです。あの歌はオレたちとTRIGGERを繋いでくれた。歌は人の心を繋いでいくものだと思うから。また楽しそうな3人の歌が聞きたいです」

 

海岸で話す大和・三月・ナギ。

ナギ「ハルキと会うまで長い間、ワタシは寂しい日々を過ごしてきました。ワタシは彼の歌を聞いて初めて、寂しいと気づきました。歌はそんな風にハートを揺さぶり、名前のなかった気持ちを育てるパワーがあります。あの歌が悲しみに姿を変え、歌われないのがとてもつらいです」

そこに姉鷺が通る。三月は姉鷺に「TRIGGERの表面だけじゃなく、心も守ってやれよ」と言う。ナギも「あの歌とTRIGGERの心を死なせないで。悲しみを終わらせる奇跡を起こしてください」と言う。

 

ホテル。陸と一織の会話。

陸「オレたちがTRIGGERに期待していることを、オレも一織に期待されて、胸が震えるくらいうれしかった。体が弱かったからみんな優しくしてくれて、それも嬉しかったけど、言われてみたかった。『オレならできるはず、オレにしかできない、オレだから無茶を承知で望んでるんだ、傷だらけになっても頑張ってくれ』って。怖い時も、プレッシャーに負けそうな時もある。だけど、オレに期待する声がオレの背筋を伸ばしてくれる。一織のおかげでかけがえのない自信をもらえた。守られてるだけの自分から変われた。だからずっと期待してて。オレがどんなにボロボロでしんどい時も、一織だけはオレを叱ってよ」

一織「あなたたち兄弟は似ています。誰かの望む声には必ず振り向く人たちです。だからTRIGGERは歌います」

 

海岸で話すTRIGGER。楽は小鳥遊事務所で聞いたi7の『NATSU☆しようぜ』を思い出し、「あいつらが歌う『NATSU☆しようぜ』が楽しそうで、あいつらに返してやりたかった」と言う。十は「天が初めて俺たちを友達って呼んでくれた思い出の曲だ」と言う。

そうして『NATSU☆しようぜ』を歌おうと決めたTRIGGER。

十「傷だらけになったっていい。2人となら。無傷よりも価値のある傷をこの体に刻みたい」

1部17章4話、盗作に気づいていたが言わなかったことについて、天は「ボクは情を優先して、見て見ぬフリをした。だからビジネスに友情なんて必要なかったんだ」と言った。

 

5.夏ノ島音楽祭当日。
急にTRIGGERの出番がi7の前に変更になり、i7が曲振りをする計画ができなくなってしまう。楽は、舞台袖の陸に「バトンは俺たちが渡してやる」と言う。大和・三月・ナギに説得された姉鷺から許可が出たため、TRIGGERは『NATSU☆しようぜ』を歌う。
爆発的に盛り上がる会場。1曲目からアンコールが起こるほど。TRIGGERはi7に『NATSU☆しようぜ』を歌うよう曲紹介をする。ここでやっとi7はデビュー曲をファンの前で歌うことができた。
最後はTRIGGER・i7の10人で『NATSU☆しようぜ』を歌う。