消えていく星の流線を

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デフォで重め

君のいない世界の中で ~BUMPと『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』によせて

 

ちょっとおたく、名探偵コナン ハロウィンの花嫁、観ましたこと???……まあ! まだ観てないですって!? ダメよ~そんなのッ!! ホラッ、オバチャンが2000円あげるからッ!! 今すぐ映画館行ってらっしゃいッッ!!!

 

────劇場版 名探偵コナン ハロウィンの花嫁、最高でしたよね……最高すぎて毎日よくわからないテンションで過ごしています。

そしてBUMP OF CHICKENの主題歌『クロノスタシス』もすごい良かった……

 

てかわたしの話させてよ(知らんがな)

小学一年生から追っている人生をかけた推しコンテンツである「名探偵コナン」。

わたしの推し、降谷零。

わたしの命を救ってくれたBUMP OF CHICKEN

この3つが合わさってしまった2022年……何? 奇跡か何か??

 

ちなみに菅野祐悟さんも『PSYCHO-PASS』から10年来大好きで、コンサートにも行ったことがある。今年、何? 奇跡か?(意識混濁してるので繰り返しがち)

 

これはもう記録に残さないわけにいかないだろうというわけで、今回は名探偵コナン」とBUMP OF CHICKENの親和性について、そして今回の映画「ハロウィンの花嫁」と『クロノスタシス』のつながりについて、軽くですが考察・解釈します。

 

※ 映画の微ネタバレしてます!

 

 

 

 

コナンとBUMPの親和性

もともと「名探偵コナン」は、何かを失った人たちが意志・遺志を達成しようともがいていく物語でもある。

・コナン:新一の姿を失って取り戻そうとしている

・蘭:新一を失って待ち続けている

・哀・赤井明美を失って組織と闘っている

・降谷:エレーナを失って捜すために警察官を志した。また、同期4人(特に景光)を失ってもなお警察官としての意志を果たしている

・佐藤:父親や松田を失ってもなお警察官としての意志を果たしている

 

そしてBUMPの曲ももともと、何かを失った人が、その穴を受け入れ乗り越えそれでも歩いていく曲が多い。

 

・君といた時は見えた 今は見えなくなった 透明な彗星をぼんやりと

・寂しくなんかなかったよ ちゃんと寂しくなれたから

・お別れしたのは何で 何のためだったんだろうな

・夢だと解るその中で 君と会ってからまた行こう

──ray

・いくつもなくなったあとに 強く残った ひとつ残った

──ファイター

・ああ 君がここにいたら 君がここにいたら 話がしたいよ

──話がしたいよ

・出会えば必ずさよなら

・君がいるのに いないよ

──You were here

・君の存在だって 何度も確かめはするけど 本当の大事さは 居なくなってから知るんだ

・君を失くした後で 見つけ出すんだ 君との出会いがあった事

──supernova

 

そして『クロノスタシス』もしかり、何か(誰か)を失った人の話だ。

・君のいない 世界の中で 息をする理由に応えたい

・君のいない 世界の中で 君といた昨日に応えたい

──クロノスタシス

 

だから、何かを失った人たちの話である「名探偵コナン」の世界観と親和性が高いと思う。

 

 

特に今回の「ハロウィンの花嫁」では、すでに亡くなっている 松田・萩原・景光の遺したもの がそれぞれ鍵となり、事件を解決できた。

これが今回、警察学校組がメインとなっているミソだ。松田・萩原・景光の遺したこれらのものがひとつでも欠ければ、今回の事件は解決できなかった。

・松田がオレグに渡した名刺

・萩原の「陣平ちゃん、電話!」という言葉
景光がプラーミャに撃った弾

おいおい伊達も入れてくれよ!!って感じだが……(笑)

 

この映画のポスターには「失った過去と、受け継がれた想い」というコピーが書かれている。

 

すでに失われてしまった人たちの遺したものが、時を超えて現在まで受け継がれ、結果として多くの人の命を救う。

「ハロウィンの花嫁」のテーマはそういうものだった。

それを考えると、やはり今回、BUMP OF CHICKEN以上に親和性の高いアーティストはいなかったように思う。

 

 

クロノスタシス』にコナンを見るなら

BUMPはタイアップ曲であっても、あくまでBUMPらしく、しかし想像を広げればタイアップ作品の世界観に添えるように書いている気がする。

クロノスタシス『ray』『GO』『アンサー』『Hello,world!』『supernova』などに通じるところがある、かなりBUMPらしい曲。

 

だけどコナンに当てはめて考えるならば、わたしは佐藤刑事あるいは降谷目線の曲だと思っている。

この2人が共通して失ったものは「松田陣平」。降谷に関してはさらに萩原・景光・伊達もここに加わる。

以下、歌詞の中で当てはまりそうなものを挙げていく。

(なお、映画のストーリーに沿って考えるため、この2人以外に松田・コナンも交ざっている)

 

>今日を 読まない手紙みたいに重ねて また部屋を出る

・佐藤:松田からのメールを消したこと

・降谷:伊達からのメールを消したこと

・松田:「送信しても受け取ってくれねぇ親友」である萩原へメールを打っていた

 

>何回も聞いた 君の声が しまっていた言葉を まだ 探している

>鮮明に繰り返す 君の声が 運んできた答えを まだ しまっていた言葉を 今 探している

・降谷:松田が言った「焦りこそ最大のトラップ」という声を事あるごとに思い出している

・松田・コナン:今回の映画では、萩原の「陣平ちゃん、電話!」という声が「答えを運んできた

 

>臆病で狡いから 忘れたふりをしなきゃ 逃げ出しそうで

・佐藤:松田のことを忘れようとしていた(高木に「忘れちゃダメです」と止められる、揺れる警視庁!!)

 

>君のいない 世界の中で 息をする理由に応えたい

>君のいない 世界の中で 君といた昨日に応えたい

・降谷:同期4人のいない世界でも警察官としての意志を果たしている

・佐藤:父親や松田のいない世界でも警察官としての意志を果たしている

 

 

タイトル「クロノスタシス」について

クロノスタシス」は時計の針が止まったように見える現象。だけど実際には時間は進んでいる。

 

佐藤と降谷は、松田や父親、同期たちを失って、本当なら時間が止まったように感じていたのではないか?

だけど2人とも自身の強い意志でもって、警察官としての使命を遂行し、自分の時間を進み続けている。

 

>並んだままで 待つ答えで 僕は僕を どう救える

誰しも、大切な人を失うときがきっとくる。そのとき、人はどうすればいいのだろうか?

ただ待つだけでは答えは見つからない。対象の不在を自発的に受け入れ乗り越えて、時間を進まなければいけない。

佐藤も降谷もそうやって乗り越えてきた。自ら行動し、「警察官として使命を遂行する」という答えをそれぞれ見つけたのだ。

 

失った人たちとの思い出──つまり「秒針の止まった記憶」を抱えながらも、変わらず進み続ける時間の中で生きていく、佐藤や降谷、コナンたち。

今回のコナンに当てはめるなら、それが「クロノスタシス」というタイトルの意味ではないか、とわたしは考えている。

 

>鮮明に繰り返す 君の声が

運んできた答えを まだ

しまっていた言葉を 今 探している

この曲は「探している」と言って終わる。

進み続ける時間の中で、佐藤や降谷、コナンたちは「答え」を探し続ける。恐らくは物語がハッピーエンドを迎えるその時まで。

 

 

ちなみにわたしが一番グッときた歌詞は「君のいない 世界の中で 息をする理由に応えたい」です

絶対に黒の組織ぶっとばしてヒロの仇とる──

 

 

 

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エモで生きてる声優オタク

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