量産型オタクが減ってしまったら、それは「量産型」と言えるのだろうか?
量産型オタクが好きだ(特大文字)
しかし、女オタのみんな? 最近、量産型オタク、減ったと感じません?
そうなんです、減ったんですよ(当社比)
でも量産型オタクが減ったら「量産型」って呼べなくないか。だって量産されてないよ?
じゃあ今はどんな系統のオタクが量産されてるんだ?
なんで系統が変わったんだ?
ジャニーズと声優の現場に年間30~40回通うオタクが、オタクたちの服の系統について真面目に考えてみたよ。
「量産型オタク」とは? 最近の傾向は?
いわゆる量産型と呼ばれる服装の系統とはざっくりこんな感じ。
量産型オタクのバイブル的メディア、Lafaryでは「量産型」の定義や発祥についてこう書いている。
>甘くてお姫様のようなファッションにレースで身を包んだ女の子
>男性アイドルや2次元コンテンツのコンサートやライブ会場にいる女の子が似たような服装や髪型で参戦していたことからネーミングされたもの
3~4年ほど前(当社比)のジャニーズの現場では、この「甘くてお姫様のようなファッション」で定義される「量産型オタク」が多かった。
しかしさらに読み進めると、
>現代では、『量産型』コーデといわれる甘々なコーデよりも茶系やベージュコーデと言われる肌なじみの良いカラーを使ったアイテムを身につけた女子の人口が多く、
実際には『量産型』よりもベージュコーデを身につけている人の方が多いです
ここですよ!! わたしが話したいのは!!
ここ2年ほどのジャニーズの現場では、ベージュ・オフホワイト・淡いブルーなどを基調としたお姉さんっぽいファッション、いわゆる「ラテ系」「清楚系」が圧倒的多数を占めるようになった。
ロングスカート率が高く、まずもってミニスカートはほとんど見ない。
かつての「量産型」は絶滅してしまうのか???
「ラテ系」「清楚系」のイメージはこんな感じ。
ラテ系
清楚系
さて、ここで哲学が始まる。
「ラテ系」「清楚系」の方が量産されてるなら、こっちが「量産型」になってしまうのでは???
と命題が出たところで、一度「量産型」と「ラテ系」「清楚系」の特徴(当社調べ)をまとめてみる。
量産型
・甘くてお姫様のようなファッション
・白・黒・ピンクを基調とする
・リボン・フリル・レース・ビジューなどを多用
・ミニスカートが多い
・靴は厚底
・バッグはリュック(MCMかメゾフル)、ジルバイ、メゾフルのトート、その他ハイブランド
ラテ系/清楚系
・シンプルでラフ(ラテ系)/お姉さんっぽい、OLっぽい(清楚系)
・ベージュ・オフホワイト・淡いブルーなどを基調とする
・無地や落ち着いた花柄が多い
・脚を出さないことが多い
・靴はヒールがなく動きやすいもの
・バッグは布トート(épineかapres jour)、ジルバイのフリルトート、メゾフルのトート
・髪型はゆるく巻く、ハーフアップ、ポニーテール、ビッグリボン
参考:
急増する #ラテ系オタク とは?名付け親が解説します!|𝗤𝗨𝗡 #オタ活応援メディア|note
特にメゾンドフルールは最近すっげー見る。すっげ~~~~見る。元からメゾフル多かったけど2021年からさらに増えた印象。
Hey! Say! JUMPの現場とか、もう、すごかった。そのへんにいるヲタクの半分はメゾフルのトート持ってた。声優の現場でもよく見た。
メゾフルって以前は量産型オタクの代名詞的なバッグだったけど、最近では量産型・ラテ系・清楚系、全てのオタクが持っている。オタク界を凌駕するメゾンドフルールは本当にすげえ。
界隈ごとの服の系統の差
わたしはジャニヲタであり声優オタクなので、両方の現場に毎年通っている。すると界隈による差が、身をもって分かるんですよね……!
ここ2年で思うのはこんな感じ。
ジャニーズ
ラテ系/清楚系の圧倒的な圧。体感ではかつての量産型よりさらに量産されている印象。
量産型は今や絶滅危惧種。
声優
量産型は半分くらいいる。
ラテ系/清楚系はいないこともないが、あまりいない。
声優現場は普段着みたいな人もいるし、夏だったら浴衣もいるし、その他多種多様なオタクがいる。
なんだこの差は。同じオタクなのに。なぜこういう差が生じる??
この点について、2つのポイントに分けて考えてみる。
*なぜジャニーズ現場から量産型が減ったのか
*なぜ声優現場は量産型が減らないのか
Q1. なぜジャニーズ現場から量産型が減ったのか
その答えを探すため、我々はまず量産型とラテ系/清楚系、それぞれのメリットとデメリット(当社調べ)を探してみた。
「量産型」のメリット
・自分を盛れる、キラキラできる
・目立つ
「量産型」のデメリット
・ちゃんとやろうとすると結構金がかかる
・パフスリーブやコルセットなど締め付ける服が多かったり、靴が厚底で動きにくい
ブラウス7000円/スカート9000円/ワンピース1万2000円くらいの価格帯のブランドが多く、量産型は平均して金がかかる。
安い量産服もあるが、フリルの縫製の悪さ、布のペラペラさなどでバレやすく、こういう安いのを着るといわゆる「芋量産」になりやすい。
「ラテ系/清楚系」のメリット
・安いブランドも多い
・服の作りがシンプルなので安くてもバレにくい
・動きやすい
「ラテ系/清楚系」のデメリット
・地味
・かつての量産型よりさらに周囲に埋もれやすい
このメリット・デメリットを踏まえると、ラテ系/清楚系のオタクたちは以下のように考えているだろう、と予想できる。
・お金をかけなくても可愛い服を着たい
・気軽にオシャレしたい
・目立たなくても構わない
■理由① 気軽にオシャレしたい
この3つ
・お金をかけなくても可愛い服を着たい
・気軽にオシャレしたい
・目立たなくても構わない
が、量産型が減った理由1つ目だとわたしは考えました。
当社比だと、2015年くらいまでは多種多様なジャニヲタがいた。
カラーセーラー、カラーパニエ、花冠、生首、特攻服、水着、サンタコス、なりきり、などなど……かなりレアだけどウエディングドレスもいたな。
令和のオタクの皆さん、信じられますか? アリーナ最前で突然脱ぎ出してビキニになるお姉さん達が普通にいたんですよ??
この頃は「目立ってなんぼ」な雰囲気もあったし、現場でしかできない格好を楽しむという、学園祭のようなお祭り感もあった。
しかし、現在のジャニヲタはもっとミニマリスト的で、お金に頼らない楽しさを追求している。
気合を入れて目立って「わたしたちがなんば~わん」になるより、気軽に肩の力を抜いて現場を楽しみたい。
こうした理由はとても令和っぽいと言えますね!
さらに他の理由も思い当たったので追記していきます。
■理由② ジャニーズ本人たちにラフな衣装が増えた
近年、ジャニーズ本人たちの衣装もラフスタイルなものが増えてきていると感じる。
キラキラ王子様衣装より、パーカーやデニムをリメイクした衣装や、シャツにシンプルなジャケットといったスタイルが最近は多いような。
例として、ここ2年の各ジャニーズグループの主要なMVを見てみる。
初心LOVE
サチアレ/なにわ男子
Imitation Rain
マスカラ/SixTONES
I promise
ichiban/King & Prince
証拠
星の雨/ジャニーズWEST
チートタイム
Graceful Runner/A.B.C-Z
RUN
夏のハイドレンジア/Sexy Zone
デビュー新しい順だが、これ以降はYouTubeに公式MVがなかったりするのでこのくらいで……
総合して、キラキラ王子様系の衣装はほとんどなかった。そもそも恋愛の曲自体が年々減っている気がする。
観客側としては、出演者に見合う服、その場の雰囲気に合った服を着ていきたいと思うもの。
ジャニーズ自身にラフな衣装が増えたため、その影響を受けてラフな服装になってきている、というのはあるんじゃないかなと思う。
■理由③ コロナで現場が減った
コロナ禍で2020年には現場が激減したことも、「ラテ系/清楚系」の増加に影響したとわたしは思う。
現場がないため、服や髪型にお金をかけてもそれを披露する場がない。
それならオシャレにお金をかけても仕方なくない? 意味なくない? となる。オタクにとってのハレの場は現場なので。
そこで、特別な日にしか着られない、しかも金がかかる量産型服は敬遠されるようになった、というのは少なからずありそう……。
実際、「コロナ前と比べて服にかける金額が半額以下」というデータも出てきた。
【通勤「#1週間コーデ」GUが展開のワケ】
— news zero (@ntvnewszero) 2022年8月30日
行動制限がなくなり、#完全出社 を再開する企業が増えていることなどから、#GU が1週間1万5000円でコーディネートできるキャンペーンを開始。その背景には、コロナ禍で洋服にかける費用が大幅に減ったことがあるといいます#newszero pic.twitter.com/ng6BJj1FXR
コロナ以前から「ラテ系/清楚系」は増えていたが、コロナがそれに拍車をかけたのかもしれない。
また、今は現場でもマスクが必須のため、タレントに顔認知されることはかなり難しくなったと思う。
それに伴い、うちわ認知を狙うオタクが増えたのかもしれない(これに関しては、わたしは他人のうちわをあまりよく見ていないので予想でしかないです)。
うちわ認知なら容姿は目立たなくても問題ないので、認知狙いのガチオタでも地味な「ラテ系/清楚系」を着る、というのは十分あり得る。
まとめると、
☑️「目立ってなんぼ」より「気楽に楽しむ」スタイル になってきている!
☑️ジャニーズグループ自身、キラキラ王子様系の衣装/恋愛系の曲が減ってきている!
☑️コロナの影響!
というのがジャニーズ現場から量産型が減った理由だと考えました。
※追記
質問箱でいくつかジャニヲタに量産型が減った理由の考察をいただき、大変納得しました! ここに追記させていただきます。
■追記:見解① 推し文化が浸透し、現場が身近なものになった
まず、現在は「ディズニーや旅行に遊びに行く感覚で現場に行っている」という意見をいただいた。
近年では、現場は以前よりカジュアルで身近なものになり、普段の遊びに近い感覚で通っている人も増えていそう。
2022年には「Z世代の8割以上に『推し』がいる」というアンケート結果もある。
「推し」文化・オタク文化そのものが一般的に浸透し、現場も身近なものになった。
そのため、晴れ着というより普段着に近い「ラテ系/清楚系」の服装で行くオタクが増えたのでは?
また、わたしはこれ存じ上げていなかったんだけど、「現場のことを『デート』と表現するタレントが増えている」という指摘もいただいた。
そのため、デート服を選ぶ感覚で「ラテ系/清楚系」を着るオタクが増えたのではないか、という見解です。
■追記:見解② ジャニヲタに10代が減った
これは確かに!と思った。わたしも日頃、ジャニーズ現場から10代が減ったと感じていた。
お姉さん系が増えたというか、そもそもお姉さんが増えたってことやね。
一般的に、量産型は23~24歳で卒業しなきゃ……みたいなイメージはあると思う。
当社比だと10代は歌い手とVに流れている印象。ちなみにインスタで見る限り、すとぷりなどの現場では、上に書いたようなカラーセーラーなどが健在な様子です。
■追記:見解③ オタク晒しが顕在化し、むしろ「目立ちたくない」オタクが増えた
ちょっと前のオタク晒しといえばパスありの某サイトだった。そのため、パスを知っているある程度の有識者しかオタク晒しには参加できなかった。
しかし聞いたところによると、現在ではオタク晒しはTwitterが主流らしい。時代の流れ、怖~!?
つまり、現在ではオタク晒し文化は茶の間まで広がり、ジャニヲタは以前より晒されやすくなっている、と考えられる。
なのでむしろ「目立ちたくない」と考えるオタクが増えたのでは? という見解でした。
だとすると、わたし自身も先ほど書いた
・「ラテ系/清楚系」が体感ではかつての量産型よりさらに量産されている
・「ラテ系/清楚系」はかつての量産型よりさらに周囲に埋もれやすい
という意見も理にかなってしまいますね……。
しかし、晒し文化の広がりによって、女の子がキラキラ可愛い服を避ける傾向になっているんだとしたら、結構由々しき事態なのでは……?
皆、好きなお洋服着られるような世界にしたいよね。度が過ぎた晒しはやめましょう。
Q2. なぜ声優現場は量産型が減らないのか
次の謎、声優現場では量産型オタクが健在な理由。
そもそも声優現場にも量産型オタクが出てきた契機としては、声優がアイドルコンテンツをやるようになったからじゃないかな~。
アイドルの役をやるにあたり、声優本人もキャラクターと同じ衣装を着て歌って踊る。そのため、今では声優自身もアイドル視されている。
キラキラ王子様衣装を着る声優の例
そこでアイドル文化が流れてきて、量産型オタクが増えたのではなかろうか。
じゃあ、ジャニーズ現場では量産型が減ったのに声優現場では減らない理由は??
それは、実際のアイドルから声優界隈に、数年ズレで流行が流れてくるからだとわたしは考えている。
多くのゲームなどのアイドルコンテンツは、恐らく実際のアイドルを参考にしている。そのため、実際のアイドルの傾向が数年遅れて取り入れられる。
当然、衣装の傾向も数年ズレて影響されていく。
たからオタクの服の系統もジャニーズ現場とは数年ズレているのでは?
それを踏まえると、声優現場も2年後くらいには「ラテ系/清楚系」が増えるのではないか、とわたしは予測します。
というわけで、主にジャニーズの現場にラテ系/清楚系オタクが増えた理由は、とても「令和っぽい」と言えるのではないか、と思いました。
でも、この記事書きながら参考サイトとか見ていて、わたしはやっぱり量産型のお洋服が好き! ってなったので、わたしの好きな服を着ていこうと思います。
量産型と清楚系のハイブリッド、お姉さん系量産型を目指そう。
またジャニーズの現場にも量産型オタクが戻ってくることを信じて……(?)
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