創作
スノードームの内側 inside D 運転席はいつだって、ぼくだけの専用席だった。 だからぼくは細心の注意を払い、でき得る限りの集中力を発揮しながら、慎重にアクセルを踏み、おもむろにハンドルを切らなければならなかった。 なぜなら、隣の席にはいつだって…
シーユー、ハイドランジア 視界が灰色の雨で埋め尽くされる、そんな季節。 外がまだほの暗く、万物の輪郭がぼんやりとして見える、そんな時間。 よくよく眠れず、ぼくはただ窓の外を見ていた。 整備された石畳の道路に、お屋敷みたいに大きな家が立ち並んで…
こんにちは! 遅ればせながら、斉藤壮馬さんお誕生日おめでとうございます! 20代最後の年となりますが、今年も、そしてその先も、壮馬さんが魅せてくれるであろう世界を楽しみにしています。 さて、お祝いの代わりといってはなんですが、1本創作を書きまし…
お久しぶりです。 みゅぱすたです。 推しの新曲や本がなかなか出ないので正直ブログネタがないです。 みゅぱすたです。 みゅぱすたです。 さてさて! ブログは書いてなくても別の文章は書いてましたよ~! それがこちらババン。 www.pixiv.net 詳しくはリン…
花と凛のダ・カーポ 変に浮き足立つ街は、しかし休日特有のだらーんとした空気を纏っている。 今だけ、この国全体の幸福度はほんの数パーセント上がっているように思えた。 刹那の休息を享受したぼくは、録り溜めたアニメをダビングしたり、映画を見に行った…
ホイール・ン・ミラーボール 雨がしとしと、降っている。 この街には無数のミラーボールがぶら下がっている。あまりにも散らかったこの色彩の戦争を見た時には、ピカソもマティスもびっくりに違いない。この時期は、水の煙によって多少なりとも彩度が下がる…
ダンスホールから役者は去った 「よっぱらっちゃったな」 駅から出しな、手の甲を右、左、頬に当てる。まるでト書きで定められたかのようになめらかな仕種だ、と思った。ぼくはその手の右側数センチに位置して、つかの間、赤いサインに足止めを食らっている…